観光庁、2010年度補正予算に8.92億円−新たな旅行商品の試験的造成に3億円

  • 2010年10月28日
 2010年度補正予算で観光庁は8億9200万円を確保した。最も多く投入するのは外国人観光客の移動容易化のための言語バリアフリー化で5億円。また、国内観光活性化緊急対策事業は3億9200万円を充てる。

 言語バリアフリー化では、交通拠点から主要観光地へ移動する公共交通機関で、外国人観光客にとって案内表示や放送などの言語面での不便を感じさせないよう対応する。全国10ヶ所程度で実施し、地方都市のインバウンド受入体制を整備するねらいだ。また、国内観光活性化緊急対策事業では、休暇取得分散化に係る普及・啓発に向けたシンポジウム開催や調査に3000万円を投入。

 また、新たな旅行需要の創出に係る旅行商品の造成では、3億円を充てる。例えば若い人向けに地域のボランティアに参加してもらうツアーや、スキーやマラソンなどのイベント参加者に延泊を促す商品など、新たな旅行需要を喚起する商品を試験的に造成しモニターツアーを実施。ツアーの実現性や経済効果を検証する。さらに、滞在型観光地の形成では6200万円の予算を確保。2泊3日以上の滞在型観光が可能なエリア「観光圏」を整備し広域的な観光地作りを進める。

 なお、観光庁ではないものの国土交通省自動車交通局の予算として、観光地で電気自動車を活用し環境に配慮した公共交通を推進する取り組みに4億5000万円を確保。具体的には、タクシーやバスの事業者が電気自動車を購入する際に補助したり、電気電動バス向けの充電施設の導入を支援したりする。この自動車交通局の事業をあわせると、観光振興関連の補正予算は約14億円となる見込みだ。