DL伊藤営業本部長、羽田線の成功誓う−業界全体での総需要拡大も訴え

  • 2010年10月25日
 デルタ航空(DL)日本地区営業本部長の伊藤正彰氏は10月22日、本誌の取材に応じ、来年2月に就航予定の羽田路線について「必ず成功させなければならない」と意気込みを語った。伊藤氏は、成田路線について「我々にとってアジアへのハブであり大事な財産」としつつ、「羽田は時間帯もまったく異なり、新たなマーケットとして意義深い」と強調。羽田路線の特徴を訴えつつ、空港へのアクセスなどの課題解決にも取り組み、需要の開拓を進める考えを示した。

 DLでは、羽田路線に就航することにより、成田空港を北米/アジア間のハブとして位置づける方針で、羽田路線は特に首都圏での販売に注力。業務渡航、レジャー両方の需要を取り込んでいきたい考えで、それぞれの割合は成田路線と同程度を想定する。業務渡航については「顧客企業側で羽田路線をどう使うか検討が始まったところ」だが、「積極的に活用を考えてくださっている企業もある」といい、例えばデトロイト線は早朝4時50分着であることから朝の出発便に乗り継げる利便性などを訴えていく方針。また、レジャー需要は「消費者の予約動向を注視している」としつつ、業務渡航と同様、新たな日程パターンの提案などにより「需要を作っていかなければならない」とした。

 また、地方需要については、成田と同じく「財産」であるという関空線と中部線の維持を最重視しつつ、羽田路線を持つ他社との連携も模索。日系航空会社2社、および2社が加盟する2アライアンスとの競合については、「自社で成田、羽田から相当の座席数を持っており、ビジネスクラスへのフルフラットシートの装備などサービスの改善も進めている。充分に戦える」と自信を示した。

 なお、伊藤氏は、業界全体を挙げた総需要拡大の取り組みの必要性にも言及。メディアなどでの露出も増えているなかで、「このチャンスに(日本人出国者数を)1700万人、1800万人に増やしていけるよう、旅行に携わる者が全員で取り組まなければ、せっかくのタイミングを失ってしまう」と語った。


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