国際航空運賃規制緩和へ−JATAも意見提出、サーチャージ廃止や内訳表示で

  • 2010年10月14日
 国土交通省航空局は9月17日に、国際航空運賃に係る規制緩和についてのパブリックコメントの募集を開始し、10月12日の締め切りまでに賛成意見やさらなる規制緩和を求める意見が多く寄せられた。航空局ではこうした意見を受けて、10月31日以降に申請する国際航空運賃から上限認可制を適用する予定だ。これにより、航空会社は需要動向に応じた自由な運賃設定が可能となる。

 今回の規制緩和では、上限の範囲内であれば需要動向に応じた自由な運賃設定ができるようになる。また、企業へのコーポレートレートなど、大口利用顧客向け個別割引運賃(プライベートフェア)についても同様に上限認可制とした。ただし、いずれの場合も消費者保護の観点から、申請は不要なものの運賃登録システムに運賃情報を登録する、もしくはファックスやEメールで事前に運賃情報を届け出ることを条件としている。また、今回の規制緩和により、燃油サーチャージや空港施設使用料、出入国税、輸送サービス利用にともない支払う費用について、運賃を含めた総額及び内訳表示が必要になる。

 航空局によると、航空会社からはその都度の申請や届出をなくしてほしい、というさらなる規制緩和を求める声もあったという。一方で航空局は慎重な姿勢で、ダンピングや差別的な取扱いなどの発生を防ぐため、こまめにヒアリングするなど管理を徹底する考えだ。

 また、日本旅行業協会(JATA)も旅行業界の観点から、燃油サーチャージ制度や運賃を含めた総額および内訳表示について意見を提出。燃油市況を臨機応変に運賃に反映できないことを理由に設定した燃油サーチャージ制度については、上限認可制に移行することで自由な運賃設定が可能となるので、燃油サーチャージを運賃に含め制度自体を廃止するように求めた。また、パッケージツアーについての内訳表示では、旅行会社によって全て含めた金額で旅行代金を設定している旅行会社もあるため、現状の商習慣を継続できるよう訴えた。


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