
シンガポール航空(SQ)は10月1日、シンガポール政府観光局(STB)と合同でプレス発表会を開催し、来月から始まる羽田就航便の戦略や、機内設備、機内食を紹介した。SQ北アジア地区リージョナル・バイスプレジデントのリー・リク・シン氏は、「羽田線は1日2便、成田線を合わせて東京/シンガポール間は1日4便になる。日本市場のポテンシャルを確信している」と挨拶。SQ日本支社長のキャンベル・ウィルソン氏も、「現在、成田便は満席の状態。羽田就航は需要に応える手段であり、STBの新ブランド展開からも、さらなる訪問客数の増加を予想している」と期待を示した。
需要増に加え、羽田空港では深夜発着便の運航が可能なことも就航を決定した一因。両空港を合わせると、早朝から深夜まで毎日6時間ごとにシンガポール行きが就航することになる。利用者は往復で成田と羽田を組み合わせることができ、時間帯と空港へのアクセス、乗り継ぎ便の都合で選択可能だ。乗り継ぎの利便性向上により、シンガポール以遠への路線やツアー販売にも積極的だ。南米への就航も予定しているという。

また、羽田就航便のビジネスクラス、ファーストクラスの機内食では新たに、京都の料亭「菊乃井」の村田吉弘氏による本格的な和食を提供。ビジネスクラスの「花恋暦(はな こい れき)」は、競争の激しいビジネス市場に向け、特に力を入れて開発したという。ファーストクラスの「京懐石」は、和の伝統に洋素材を融合し、お盆や器には、「石、木、水、空」の四要素を表現。いずれも季節感を重視したという。
ボーイングB777−300ER型機のファーストクラスは、羽田線での導入が日本初となる。シートの横幅は90センチでシングルベッドとほぼ同じ、正面のモニターは23インチ。乗客がトイレでパジャマに着替えている間にベッドを用意するほか、仕事や睡眠中は「DO NOT DISTURB」のサインを点灯できるなど、ホテルのようなサービスも提供する。