エア・カナダ、羽田路線もレジャー重視−搭乗率85%以上めざし需要生みだす

  • 2010年10月1日
 エア・カナダ(AC)日本地区旅客営業・マーケティング本部長のワイス貴代氏がこのほど本誌取材に応じ、羽田/バンクーバー線の販売戦略を語った。羽田路線は空港の利便性からビジネス需要への注力を掲げる航空会社が多いが、ワイス氏は「ターゲットとしてもちろん置いている」としつつ、バンクーバーのデスティネーションとしての特性からレジャーを重視する姿勢を説明。特に、バジェットトラベラーや学生など若年層を主なターゲットに需要を生み出し、ハイシーズンの夏は95%以上、就航当初は85%以上のロードファクターを目標として販売を進めていく考えを示した。

 ワイス氏は、羽田空港の利点が利便性と充実した地方路線であるとしつつ、ACの場合、発着時間の制限により帰国便で地方路線に同日乗り継ぎできないことが課題と指摘。ただし、「成田でも1泊必要だった地方はある。羽田線は、少し空港で時間を過ごせば次の日の朝帰れるので、今まで取り込めていなかった需要にも働きかけていきたい」考えだ。また、夜遅くに出発し、週末だけでも旅行ができる利便性も訴えていく。

 若年層をターゲットにする理由は、シニアには体力的な負担が大きいと判断したため。現在のところ、就航前で路線が十分に認知されていないこともあって予約は「軟調」だが、目標達成にむけ、カナダ観光局(CTC)や各州の観光当局などと連携したプロモーションをすでに計画中。例えば「北米で一番近いバンクーバー」を打ち出すキャンペーンを予定しているほか、「若年層向けにバンクーバーの都市としての魅力も打ち出したい」という。

 また、アメリカなど充実した以遠路線を含めて販売を進める方針で、以遠路線では、成田線だと長時間のトランジットタイムが羽田線であれば短く済むホワイトホースに大きな期待を寄せるほか、帰国便で同日乗り継ぎが可能なラスベガスにも可能性を見出している。