日本旅行、業界日に旅行の本質を問うセミナー−学生、業界人にメッセージ

  • 2010年9月27日
 日本旅行はJATA世界旅行博2010で、業界日および一般公開日ともにセミナー形式でのブースを展開した。同社がセミナー形式のブースを出展するのは今年で2回目のこと。昨年は業界日は業界人対象の内容としていたが、今年からは業界日に多く来場する学生を対象にしたセミナーも実施。ブース運営を担当する広報室によると、「学校でも現場の視点で現状を伝える機会は少ない。旅行業界の良い部分だけでなくシビアな面も含めて知ってもらい、その後、他のブースを回りながら勉強に繋げてほしい」(広報室マネージャーの矢嶋敏朗氏)との考えだ。

 業界日のセミナーでは同社のツアーコンダクターの原好正氏やおもしろ旅企画ヒラタ屋の平田進也氏などが登壇。ツアーコンダクターの仕事内容や現場の視点からみた業界事情と課題、サービスの本質などを語った。原氏は価格競争の側面やネット販売拡大の局面など、業界の抱える課題にも言及。夢と現実を伝えた格好となったが、聴講した学生からは「現場の声を聞くいい機会。一生懸命に取り組んでいる姿を見て、旅行業界への就職を考えてみようと思った」という声が聞かれた。

 また、平田氏はセミナー後のインタビューで、「旅行業界は元気産業。夢を提供して、幸せな時間を持ってもらう商品を開発していかなくてはいけない。これは会社の枠を越え、業界全体がしていくべきこと」と、セミナーの趣旨を説明。業界各社ではコスト削減や効率化のために分業化が進んでいるが、「お客さまと触れあう機会を持つことが大切で、分業化はよくない」との持論を含めつつ、業界全体で向上していく必要性を訴えた。平田氏のセミナーには学生のほか、業界関係者も多く来場していた。