タイ国際航空、2011年以降に機内食を刷新−専門家迎えサービス向上

  • 2010年9月15日
 タイ国際航空(TG)は先ごろ、プレス関係者を対象に、機内食の新メニューのプレゼンテーションを行った。フルサービスを提供する航空会社として、更なる機内サービスの充実をはかるTGは、上質な機内食の提供を重要なサービスのひとつと位置づけ、「シェフ・プロモーション2010」プロジェクトを発足。その一環として、西洋料理とタイ料理、それぞれの専門家を監修として迎え、質の高い機内食の開発に取り組んできた。

 西洋料理を監修したのは、バンコクのスクンビット地区にあるフランス料理店「フィリッペ・レストラン」のオーナーシェフ、フィリッペ・ペレッティ氏。ミシュランガイドの一ツ星店「シェ・マリー」などで修行を重ねたフランス人で、アメリカ、カンボジアなどで研鑽を重ねた。本格的なフランス料理に、アジアのフレーバーを効かせたアレンジを得意とする。

 タイ料理を監修したのは、伝統タイ料理研究家のシーサモーン・コンパン氏。タイ料理研究の第一人者で、タイ料理に関する著書を20冊以上出版している。正統なタイ料理を伝える王室付属の料理教室を主宰するほか、タイの労働省能力開発局にてタイ料理指導の顧問を務めたり、実技指導のために世界各国を訪問したりと、タイ料理の普及に貢献している。タイ王室との関わりも深い。

 新メニューの西洋料理は、ひと皿の中で描かれるバランスの美しさが大きく改善された。「たとえば肉料理の付け合わせのトマトをコンフィするのに10時間かけるなど、皿の上のすべての食材にフランス料理の技法を施し、料理の持つ世界観にふさわしく繊細に盛り付けた。食材とソースの織り成す玄妙なハーモニーを楽しんでほしい」とフィリッペ・ペレッティ氏。デザートメニューには、「フィリッペ レストラン」で人気の高い「クレープ・シュゼット」と「タルトタタン」のレシピも導入する。

 一方、新メニューのタイ料理は、いくつものスパイスを重ねて紡ぎ出す、奥深い香りと味が特徴だ。「みずみずしい野菜をはじめ、ジューシーな肉や魚といった食材に、甘・辛・塩・酸・苦の五味をまとわせるのが伝統的なタイ料理。たくさんのスパイスを用いるタイ料理は、味わい深いだけでなく、身体を内側から浄化してくれる健康的な料理でもある」とシーサモーン・コンパン氏。ナンプラーなどタイ料理特有の調味料とスパイスが醸し出す甘辛い香りが、なんとも食欲をそそる。

 TG機内サービス部取締役副社長のサトック・ヴァラサン氏は「おふたりのコンサルタントを迎えて、機内食の質は大きく向上した。日本のみなさんには、これまで以上に機内で過ごす時間を満喫していただきたい」と挨拶し、日本発着の全便・全クラスに、順次新しい機内食を搭載していくとした。

 TGは現在、機内食改善ワークショップを世界各国のケータリング会社と共同で行っている。新メニューの導入は、2011年1月1日以降の予定だ。