アクセスランキング、1位はJAL更生計画、2位は新生「ユナイテッド航空」

  • 2010年9月4日
[総評] 今週のアクセスランキングは、1位に日本航空(JL)が更生計画案を提出した記事が入りました。計画案の内容が旅行業界に与えるインパクトからすれば当然の結果かと思います。報道陣に配布された資料は更生計画案の概要のみでしたが、記事で触れたとおり、機材や路線、組織など広範な分野について今後の方向性が示されていました。今後は、11月末までに地裁から認可を得て、再建の取り組みを進めていくことになります。

 概要では短い言及にとどまっていますが、アライアンスの活用やLCCの設立検討など、今後の展開次第で旅行業界が大きく様変わりする可能性のある項目ばかりです。JL会長の稲盛和夫氏は記者会見で、計画を「絵に描いた餅」にしてはならないと発言されていましたが、具体的にどう実行するのかが今後の焦点になります。

 また、例えばLCCについては検討を続けるとのスタンスですが、周囲ではライバルの全日空(NH)がLCC設立を急ぎ、エア・アジア(AK)の羽田への就航も来年初頭に控えている状況です。現時点で検討に留まっていては、競争が本格化した際に手遅れになってしまうのではないかと懸念してしまいます。「最後のチャンス」(JL社長の大西賢氏)を潰さないためにも、計画の着実な実行に加えて、素早く的確な判断も必要でしょう。

 また、ランキングの2位は、ユナイテッド航空(UA)とコンチネンタル航空(CO)が10月1日までに合併を完了できる見通しとなった記事が入りました。両社とも長く日本に就航しており、馴染みのあるロゴ、ブランドがなくなることに対して寂しさを覚える方も多いのではないかと思います。現在のところ日本支社の運営体制など詳細は見えておりませんが、残り1ヶ月弱の間で急な動きがあるのか、それとも少しずつ統合を進めていくのか、今後もしばらく注目を集めそうです。

 なお、JLグループの皆様は、ひと息つく間もなく計画の着実な推進に注力されていることと思います。稲盛氏も「社員の皆さんが涙ぐましい努力をされている」と話されていました。厳しい暑さが続いておりますが、JLグループ以外の皆様も含めて、体調を崩されることのないようご自愛いただければと願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年8月第5週、9月第1週:8月30日2時〜9月3日18時)
第1位
日本航空、更生計画案を提出−1.6万人削減も旅行子会社は「戦略的に必要」(10/09/01)
日本航空、7月も営業黒字、2ヶ月連続−稲盛会長、「意識改革」奏功(10/09/01)

第2位
新「ユナイテッド航空」、10月1日まで合併完了見通し−米司法省が審査終了(10/08/31)

第3位
メキシカーナ航空が運航停止、28日から−JLは払い戻し・取消料免除で対応(10/08/31)

第4位
アールエイジェイトラベル営業停止、900人以上に影響か−認証申出が200件に(10/09/02)

第5位
「JAL楽パック」開始、日本航空と楽天トラベルが提携−5年で300億円めざす(10/09/02)

第6位
デルタ航空、ロンドン・ヒースロー線の拡大申請−BA・AAの発着枠放棄で(10/08/30)

第7位
アリタリア−イタリア航空、成田/ミラノ線、ローマ線を増便(10/09/02)

第8位
HIS、沖縄子会社を吸収合併−着地型国内旅行、インバウンドなど強化ねらう(10/08/30)

第9位
マレーシア航空、コタキナバルを第2のハブに−羽田発のレジャー需要取込へ(10/09/01)

第10位
大韓航空、マイレージ制度を大幅改定−有効期間10年、ラウンジなど利用可に(10/08/31)