旅行各社、“羽田発海外”ツアー出そろう−地方発需要への対応も

  • 2010年8月19日
 羽田空港に国際定期便が就航する10月31日を前に、旅行会社各社の“羽田発海外”ツアーが出そろい始めた。一般メディアなどを通じて羽田国際化についての露出も増えており、今後さらに注目の高まりが予想されるなかで、旅行会社各社では専用パンフレットの設置や、ウェブサイト上で特集ページを開設するなど、需要の取り込みに向けた販促活動も進めている。現時点での旅行会社各社の商品内容や販売面での取り組みについて聞いた。

 ジェイティービー(JTB)は7月末にルックJTBで羽田発商品8方面の販売を開始している。JTB広報室によると、ハワイ方面を中心に予約状況は好調に推移しているという。ハワイは追加料金なしの並び席確保の効果もあり、ハネムーナーの需要が高いようだ。また、アメリカ方面は国内線の特別追加料金を往復1000円に設定したこともあり、アメリカ路線のない中国・四国や、関西からの申し込みが多いという。

 近畿日本ツーリスト(KNT)は8月18日、ホリデイで羽田発商品の販売を開始した。アメリカ、ヨーロッパ、バンコク、香港・マカオ・台北、ハワイ、中国、シンガポール、韓国、バリの9方面でパンフレットを用意。専用パンフレットを作成することでより商品を目立たせ、販売につなげるねらいがある。羽田発商品のうち、羽田空港就航記念として対象となる商品ではTポイントを2倍付与するキャンペーンを実施するほか、羽田空港まで車で向かう人のために京浜島パーキング、サンパーキングの駐車場を3日間5500円で提供するプランなどを紹介する。また、地方からの需要も見込み、国内線と国際線で同じ航空会社を利用する場合は全国39空港からの国内線追加代金を往復1000円に設定するなどの特徴をもたせた。

 阪急交通社や日本旅行、エイチ・アイ・エス(HIS)でもすでに販売を開始している。阪急交通社では現在、シンガポール、台湾、バンコク、マレーシアといったアジア方面を中心に商品を造成。ハワイは現時点で1本設定している。今後、アメリカやパリなどの設定も検討する。日本旅行も下期商品のマッハ・ベストツアーで羽田発商品の販売を開始。9月上旬から東アジア・中国、バンコク・シンガポール、バリ・プーケット、ハワイの4方面で、羽田発専用のパンフレットを作成する予定だ。HISでは、ウェブサイト上で「羽田空港国際線新規路線拡張特集」ページを開設。同社が取り扱うパッケージツアーや航空券だけでなく、羽田から就航する路線を世界地図上で示したり、空港自体の見所や特徴を紹介し、羽田発海外の需要を喚起している。パッケージツアーでは、ハワイやバリ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、パリなどの商品を設定し、引き続き露出をはかり販売につなげていく。

 ジャルパックは8月19日にJALパックスペシャル「羽田発」シリーズを発売。ハワイ、アメリカ、フランス、タイ・シンガポール・アンコール遺跡、ソウル、香港・上海・北京、台湾の7方面を設定。ANAセールスでは旅ドキシリーズ4方面のパンフレットを作成しており、8月下旬から順次発売する。また、ANAマイレージクラブ会員限定で羽田発商品の販売を先行で開始しており、9月21日までに予約すると3000円引きになるキャンペーンも実施。2社とも羽田空港周辺にある駐車場を無料で提供するなどの特典を用意している。