アクセスランキング、事業停止が2件、新路線関連も複数ランクイン

  • 2010年7月10日
[総評] 今週のアクセスランキングは、留学手配を手がけていたサクシーオが業務を停止した記事が1位になりました。3位には牧野航空旅行のニュースも入っており、事業内容や業務停止の理由は異なるものの、少なくとも2社ともに業界環境の変化や需要減退の影響を受けたことは間違いないでしょう。

 サクシーオに関しては、例によって旅行業法などで保証されない留学関係の消費者債権が多く、現時点でゲートウェイ21を超えている可能性があることが気がかりです。また、牧野航空も関係者の話によると国内線の債権が多いようで、数百名規模という情報もあります。いずれにしても今さら抜本的な解決が望めるものではありませんが、できる限り消費者の負担が少なくあってほしいと願うばかりです。

 今週は、日本発着の新路線に関連したニュースもいくつかランクインしています。中でも最も注目を集めたのはデルタ航空(DL)のパラオ線直行便です。パラオは日本航空(JL)のチャーター便やコンチネンタル航空(CO)のグアム経由便などが主流でしたが、DLの就航により需要喚起効果に期待がかかります。一方、羽田/ハワイ線も含めて他のリゾート路線との競合が激しくなりますから、過当競争による運休、減便といった結果にならないよう期待したいところです。

 幸いなことに、10位のJTBによる夏休みの旅行動向調査(リンク)にもあるとおり、需要が上向いていることは確かなようです。実はこの原稿は出張先のヨーロッパで書いているのですが、日曜日に成田から搭乗したルフトハンザ・ドイツ航空(LH)のミュンヘン便もほぼ満席と言って良い状況でした。業界内の方とお話していても、前向きなお声をお伺いする機会が増えたように思います。

 ただし、需要が回復するからといって、サクシーオや牧野航空のようなケースが減るかというと、そうとはいいきれません。ゼロコミッションやオンラインへのシフトなどの課題に対処しなければ、需要の回復も大きな意味をなさないでしょう。「喉元過ぎれば…」という言葉がありますが、その点は忘れないようにしたいものです。

 なお、2位に入った日本旅行・アメリカンエキスプレス代表取締役社長の竹村章美氏のお話は、そうした課題への対処を考える上で非常に示唆に富んだ内容です。インタビューの詳細も近日中に掲載する予定ですので、ぜひご一読いただければと思います。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年7月第2週:7月5日2時〜7月9日18時)
第1位
留学手配のサクシーオが業務停止−負債総額は約8億円、渡航予定者400名以上(10/07/07)

第2位
日旅アメックス竹村社長、経験生かし「新風」起こす−企業ニーズに包括対応(10/07/06)

第3位
牧野航空旅行が業務停止、破産手続開始へ−7月6日以降の企画旅行不可能に(10/07/05)

第4位
デルタ航空、成田/パラオ間の運航許可を米国運輸省に申請−12月から週4便(10/07/06)

第5位
全日空、成田/ミュンヘン線初便ほぼ満席−乗継利便アピールし新商品造成へ(10/07/06)

第6位
米国運輸省が羽田/米国線を正式決定、AA、DL、HAの4路線が開設へ(10/07/08)

第7位
ジェットスター・アジア、関空/台北/シンガポール線の初便、ほぼ満席に(10/07/07)

第8位
キャセイパシフィック航空、羽田は業務渡航、成田はレジャー、東京発で1日7便(10/07/07)

第9位
日系2社、羽田新路線の値付けに差−JLは2方面、NHは全路線で成田線より高額(10/07/09)

第10位
夏休みの海外旅行人数、景気回復基調で8%増の244万人−JTB推計(10/07/05)