中国人訪日旅行の拡大に課題3点−中連協、帰国報告など制約緩和も要望へ

  • 2010年6月9日
 中華人民共和国訪日団体観光受入旅行会社連絡協議会(中連協)は今後、3点の課題に取り組む方針だ。6月8日の第11回通常総会で会長に就任した、ジェイティービー(JTB)グループ本社執行役員・グローバル事業本部長の山崎道徳氏が表明した。2010年度の事業計画にも盛り込んでおり、観光庁など関連する諸機関と連携して取り組む。

 課題は(1)中国側指定旅行会社のさらなる拡大、(2)個人観光客を受け入れるための制約の緩和、(3)団体ビザでの自由行動制限の緩和の3点。例えば個人観光客の受け入れに際しては、帰国時の空港見送りなど制約が多く、現在のところ効率化が困難。こうした問題について情報を収集しつつ、観光庁などの行政側へ要望していく考えだ。

 このほか、中国への研修旅行も継続。北京、上海、広州以外で実施する計画で、中国側旅行会社との話し合いの機会を設ける。また、家電量販店やデパートなどとの合同セミナーや旅行品質維持のためのセミナー開催を検討する。

 これらの方針に対して、総会に出席した観光庁観光産業課長の鈴木昭久氏は、訪日外客数1500万人をめざすなかでの中国市場の重要性を強調し、「急激に増えることで質が低下してしまえばリピーターにつながらない。2度3度来たいと思える旅行にしてもらうため協力したい」と官民一体で取り組む姿勢を示した。

 なお、同協議会は、6月9日付で組織名から「団体」を削除し、「中華人民共和国訪日観光受入旅行会社連絡協議会」に変更する。また、個人ビザ緩和の影響で、中連協への入会希望や申請方法などの問い合わせが増えているといい、会員の随時受入体制の整備と情報提供を強化する。


▽中連協 新役員
・会長
山崎道徳氏/JTBグループ本社執行役員・グローバル事業本部長
・副会長
土屋雅彦氏/日本旅行VJC訪日推進室担当部長
・幹事
是川清人氏/中国巨龍旅行社部長
吉野一男氏/ニュージャパントラベル代表取締役会長
後藤順氏/近畿日本ツーリスト中国・アジアセンターセンター長
・監事
足立成雄氏/トップツアー経営管理本部経営企画部インバウンド推進部長
野口英生氏/農協観光旅行事業本部国際交流課課長