フィンエアー、日本は最重要、役所広司さん起用で大型プロモ−羽田にも意欲

  • 2010年3月9日
 フィンエアー(AY)は、3月28日からの成田線デイリー化にあわせ、3月8日から俳優の役所広司さんを起用した大型キャンペーンを開始する。AYでは、日本をアジア地域の中で最重要市場と位置づけており、成田線デイリー化と同時に中部線も週5便に増便。キャンペーンでは、成田、関空、中部から週19便を運航し、さらにその3路線から「最短最速」で欧州32都市に到達可能なことをアピールする。3月8日に開催した記者発表会でAY日本支社営業総支配人のサカリ・ロム氏は、AYの課題が認知向上と分析。その上で、役所さんの知名度によって利用を促進し、「(増便後も)各路線でハイシーズンは90%から95%、通年で80%から85%のロードファクターを達成したい」と意気込みを見せた。

 AYでは、日本支社の売り上げが全世界合計の1割を超えていることから日本市場を最重視し、日本路線の増便を決定。「他社が弱気になっている今こそがビジネスチャンス」(日本支社営業本部長の永原範昭氏)との考えで、昨年も夏スケジュールで成田路線でチャーターを週3便設定してデイリー運航したところ、2009年9月までの旅客数は前年比25%増、ロードファクターも80%を超えたという。

 さらに、発表会では、今後の事業戦略として羽田路線の開設意欲も表明した。永原氏は、「将来的には羽田便の就航をめざしたい。2011年以降できるだけはやく、羽田を視野に入れつつ東京路線のダブルデイリー化を実現したい」と説明。ただし、以遠への乗り継ぎが戦略の柱であることから、仮に今後の航空当局間協議で羽田の発着枠を得られても、羽田発午前便の設定が不可能であれば就航せず、成田空港の発着枠拡大後にダブルデイリー化を果たしたい考え。

 なお、プロモーションでは、役所広司さんが日本とヨーロッパを頻繁に行き来するビジネスマン「Mr.ヨーロッパ」となり、「最短最速」をアピール。新聞や雑誌、交通広告、ウェブ媒体を中心としてプロモーションを展開する。すでに2年間の展開を決めており、その後も継続を検討するという。ビジネスマンをキャラクターに採用していることや、役所さんの知名度だけでなく役所さんが知的であることも起用理由としていることから、成田線のデイリー化をビジネス需要取り込みにつなげたいねらいもうかがえる。

※訂正案内(編集部 3月9日 午後10時30分)
役所広司さんのお名前を誤って表記しておりました。お詫びするとともに訂正いたします。

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