アクセスランキング、1位は2週連続で羽田国際化−「変化」のススメ

  • 2010年2月27日
 今週のアクセスランキングは、先週に続いて羽田空港国際化のニュースが1位になり、改めて注目の高さを実感しています。記事は、先日のJATA経営フォーラム2010で国土交通省航空局の田口芳郎氏が講演した内容を元にし、羽田空港の発着枠が拡大する10月以降に国際線網がどのように拡充するかの見通しをお伝えしました。田口氏によると、「まんべんなく」全方面への路線網が形成される見込みとのことで、首都圏だけでなく、羽田空港への路線を持つ地方市場からの需要拡大が期待されます。

 最も便数が多くなりそうなのは中国で、残りの発着枠をすべて提供し、さらにそれらがすべて活用された場合、1日あたり20便の中国線が羽田から飛ぶことになります。今後中国を最重要デスティネーションとしてインバウンド振興を進めるための布石とも考えられますが、旅行業界としては、とにもかくにも増加する座席をいかに販売するかが重要になります。特に、遠くない将来に中国での外資系旅行会社への規制が緩和される予定ですから、双方向での販売戦略も考慮しなくてはなりません。また、中国からのインバウンドは、今後見込まれる拡大を考えればまだまだ新しい市場ですから、会社の規模に関係なく活躍できる機会が眠っているはずですので、中国からの送客以外でもユニークな取り組みが出てくることに期待しています。

 ユニークな取り組みという意味では、ランキング入りはしていませんが、今週記事を掲載した全日空(NH)の「女性専用化粧室(リンク)」やシンガポール政府観光局(STB)の「レストラン開業支援キャンペーン(リンク)」もユニークでした。同じようなことを似たようなやり方でし続けるのではなく、他がやらないことをやる。物事を様々な角度から眺め、頭をひねって新しいアイディアを生み出す、あるいは工夫を重ねる作業は、結果が伴わなかったとしても少なくとも経験を得られますから、組織としても個人としても財産になります。

 首都圏空港の発着枠拡大やIT技術の進化など、旅行業界のさらなる激変が予想されていますが、そんな時こそ自社のビジネスモデルや自分の日々の作業などについて柔軟な姿勢で見つめてみる良い機会ではないでしょうか。というよりも、環境が完全に変わってしまってから対応しようとしても文字通り後手に回るわけで、先行する組織や人に追いつくことは非常に困難になりますから、残された時間はあまりないかもしれません。トラベルビジョンとしても、日々の記事をより良いものにできるよう日々努力するとともに、読者の皆様の「変化」の一助となれるようトラベルビジョンだからこその展開をめざしたいと考えています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2010年2月第4週:2月22日2時〜2月26日18時)
第1位
羽田国際線、「方面まんべんなく」−中国は最大1日20便(10/02/23)

第2位
日本航空、燃油サーチャージを値上げ−長距離線は片道1万円台に(10/02/23)

第3位
ジェットスター航空、旅行会社優待で往復8000円−観光局、ホテルなど提供(10/02/24)

第4位
エールフランス航空、A380をヨハネスブルク線に投入−成田は夏前にも(10/02/22)

第5位
全日空、燃油サーチャージ額を現行と同額で据え置き(10/02/22)

第6位
新聞広告出稿量、阪急が5年連続1位−HISが6割増で21位に、JTBは減少(10/02/25)

第7位
ハウステンボス、HIS澤田会長を代表取締役に−新株30億円相当、弁済12億円(10/02/24)

第8位
クラツーとJTB、スカンジナビア航空のエヴィネス直行便利用ツアーが好調(10/02/23)

第9位
韓国、空港利用料の対象拡大、「際際」の同日乗継も−3月1日発券分から(10/02/24)

第10位
東急ホテルズ、ザ・キャピトルホテル東急を開業−新フラッグシップホテルに(10/02/23)