日本航空、アメリカン航空との提携維持、今月中旬にATI申請へ

  • 2010年2月10日
 日本航空(JL)は2月9日、アメリカン航空(AA)との提携維持とワンワールドへの残留を決定した。JL広報部では、「JLが一日もはやく経営状況を安定、回復させ、会社再生を果たしていくためには、これまでの提携パートナーとの協力関係を強化していくことが最も有効」と判断したと説明。今後は、AAとともに太平洋路線での独占禁止法の適用除外(ATI)を申請することになるが、米国では2月中旬の申請を予定。日本では「関係当局と相談しながら」作業を進める方針だ。

 この決定を受け、AAでは会長兼最高経営責任者のジェラルド・アーピィー氏のコメントを発表。このなかで、アーピィー氏は「このたびの決定はJLと日本政府にとって重要なものであり、JLの多くの利害関係者や日本の国益、日米間の旅行者にとって最適な決断だった」と強調。その上で、「JLによる再建努力を支援できることを心待ちにしている」とした。ATI申請については、「今後数日中に、AAはJLの新経営陣と協働し申請書を整える」という。

 一方、デルタ航空(DL)は、「DLは今後も米国/アジア間を結ぶ最大の航空会社であり続ける。アジアのハブである成田空港からは、米国10都市、アジア9都市、ミクロネシア2都市に直行便を運航しており、お客様は引き続き日本から米国およびアジアへの充実した路線網をご利用いただける」とコメントした。


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