KNT、10年度上期ホリデイで16%増24万人へ−創立55周年企画も
基本コンセプトでは、消費者の「快適さ」や「好み」を重視するほか、ニーズに合わせてフライトとホテルを自由に選択できる商品を拡充。KNT創立55周年の記念特典や商品も展開する。また、チャーター商品も強化し、スイスやロタ島のほか、夏期にポーランドへも8本運航を計画。SIT向け商品のWEB販売も積極的に展開し、開催期間が短いお祭りや、ユニークながら部屋数が少ないホテルなどパンフレットでは販売しにくかった商品の販売を強化する。
消費者の「快適性」「好み」重視では、例えばハワイで全10コースの「Lai-Lai(ライ・ライ)バス」を運行し、滞在中は乗り放題とする。観光やショッピングに適したコース設定とし、これまでオプションで対応してきたニーズを取り込むねらい。ゴールドコーストでも「テーマパーク」「レストラン」「ショッピング」の3コースのバスを無料で運行する。また、ハワイではホリデイ参加者専用の「ライ・ライラウンジ」をワイキキの主要ホテル7軒に設置。ソファやテレビ、マッサージチェアを用意し、客室の用意ができるまでの間などの時間をゆっくり過ごせるようにした。
また、フライトとホテルを消費者のニーズにあわせて選択できる商品も設定。例えば、フライトのペアシートは必要でもホテルのクラスは気にしないといった個別のニーズに対応。創立55周年関連では、出発55日前までに予約すると得られる特典などを用意した。
▽平均旅行代金は前年並み、単価は団体マーケット次第
平均旅行代金は、ミクロネシアと南太平洋方面を除いてほぼ前年並の水準。燃油サーチャージの値上がりが全体を引き上げた一方、方面により円高の効果が出たため、全体では2000円から3000円の増加という。ミクロネシアと南太平洋は、航空座席供給量が増加していることなどから2%から5%値下がりする見込み。
法人などを含めたKNTグループ全体では、09年の取り扱い人数が3.7%増で、売上高は15%減。10年は人数10%増に対して、売上高は5%弱の増加を予想。人数の増加を売上高の増加が下回ることで単価は下がる見通しだが、KNT執行役員・海外旅行部長の權田昌一氏は、単価の高い団体マーケットの回復期によって結果が左右されると指摘した。
なお、09年の売上高15%減のうち、13%程度は対07年の燃油サーチャージの値下がり分との分析で、実質的な売上高の減少は大きくないとの分析だ。