2009年の海外パッケージツアー、人数が11.5%増−今年の予約状況も上向きに

  • 2010年1月21日
 日本旅行業界(JATA)が取りまとめた2009年の海外パッケージツアー実績(人員ベース)によると、全方面合計が11.5%増となり前年を上回った。日本人出国者数が減少したなか、パッケージツアー利用が増加したことについて、JATA事務局長の奥山隆哉氏は「VWCの底支え効果」と「魅力ある価格帯の実現」の2点をあげる。このうち、価格については過当競争との問題もあるが、メディア露出の増加やマーケットを支えた実績があるとした。また、各社アンケートでは「新型インフルエンザの影響を受けた6月以外は、年間を通じて好調」というコメントもあったという。

 方面別では、アメリカ・カナダ、グアム・サイパン、オセアニア以外は前年を上回った。特に年間を通じてアジア方面が強く、中国を除くアジア方面では21.5%増、中国は44.2%増。また燃油サーチャージの下落により、遠距離も回復し、ハワイが7.3%、ヨーロッパが6.6%と推移した。

 10月から12月の募集型企画旅行の人員ベース実績では、10月は13.1%増、11月は19.7%増、12月は6.2%増で推移。各社のコメントでは「安・近・短」の傾向が顕著だが、3つのポイントすべてでなくそのうちの2つの組みあわせもキーワードとなっているという。また、タイが昨年の空港閉鎖の影響からリカバリーし、10月が28.5%増、11月が81.6%増、12月が98.0%増となった。

 2010年の1月から3月の予約状況も上り調子にあり、1月が10.2%増、2月が0.2%増、3月が13.1%増。このうち、アメリカ・カナダやヨーロッパは前年を上回る推移となっており、安いオフ期に遠距離を旅行する傾向がでてきているようだ。

 なお、調査はジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社、ジャルパック、ANAセールス、エイチ・アイ・エス(HIS)の7社。グアム・サイパン方面、オセアニア方面ではANAセールスの商品設定がないため、集計に含まれていない。


▽海外パッケージツアー 方面別実績と予約状況