本保長官、10年は訪日政策が新段階に−中国ビザは「1月中に一定の結論」

  • 2009年12月18日
 観光庁長官の本保芳明氏は12月16日、本紙インタビューに応じ、訪日客誘致政策は2010年に新たな段階に入るとの考えを示した。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)を開始した2003年からこれまでは「基礎体力づくり」の期間であったのに対し、2010年は「発展期」に入るという。旅行業界で外国人旅行者を取り込む体制ができつつあることや、地方での取り組みが活発化していることから「基礎体力は相当付いてきている」と分析。その上で、「来年は“前原構想”のもと、2016年2000万人の目標を掲げて走っていく最初の年。力を入れてできるだけ好スタートを切りたい」と語った。

 特に、財団法人日本交通公社(JTBF)が同日の旅行動向シンポジウムで示した、2010年の訪日外客数が2009年比で18.7%増の795万人になるとの予測に対しては、「もう少し大きな数字」をめざすと強調。予算増による「相当大きなプロモーション」や首都圏空港の発着枠拡大を追い風に、「2割は軽く超えたい」と意気込みを示した。

 このほか、中国人訪日観光ビザの規制緩和については、「1月中には一定の結論を出したい」考え。中国人訪日観光ビザの規制緩和をめぐっては、12月16日に開催された観光立国推進本部の外客誘致ワーキングチームでも意見交換がおこなわれたところ。1月中旬に開催される次回会合では、「緩和のレベルによってどれくらいの需要増が見込めるのかなど踏み込んだ議論」をする予定で、本保氏は「省庁の枠にとらわれず、ぜひ政治主導で大きく前に進めて欲しい」と期待を示した。

 なお、インタビューの詳細は年始に掲載する予定だ。


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