CX日本支社長、市場回復後に「確固たる地位」−JLのワンワールド残留に期待

  • 2009年10月13日
 キャセイパシフィック航空(CX)日本支社長のサイモン・ラージ氏は、10月8日に開催した記者懇談会で航空業界の厳しい経営環境に触れつつ「長期的にはより確固たる地位を構築できる」と自信を示した。日本市場についても、「極めて重要。就航から50年の長い歴史を持ち、強いコミットメントがある」と強調。その上で、「チャーター便の設定などによりできるだけ市場の拡大につとめたい」と語った。

 現在の状況は、「ビジネスクラスなど高単価な旅客の減少によりイールドが大幅に下り、エコノミークラスの値段も低い。燃油価格も乱高下しており、これまでの航空業界での経験の中でこれほど厳しいのは初めて」と説明。こうした現状に対しては、CXでは座席供給量削減や無償休暇、不採算路線の運休などの対策を講じているという。

 今後の見通しについては、この数週間は明るい兆しも見えてきたものの、「回復に向けては長い道のりになる」との分析だ。ただし、「CXのバランスシートは健全であり、長期的には大きな強みになる」と強調し、「核となる路線を維持し、人や商品に投資を継続する」ことが市場回復後の「確固たる地位」の構築につながると語った。投資計画は、例えば2013年までに39機の新機材を導入予定で、「一部は延期の可能性もあるが、燃費効率や質を考慮すると投資すべき」との考えだ。

 また、経営再建を進める日本航空(JL)に対しては、「様々な報道、憶測があるが、ワンワールドにとって極めて重要なパートナー。心からワンワールドに残留してほしい。(JLも)ワンワールドがもたらす価値を認識して欲しい」と訴えた。