前原国交相、JAL再建で専門チーム−11月末までに再生計画確定へ

  • 2009年9月28日
 国土交通大臣の前原誠司氏は9月25日、日本航空(JL)の再生計画立案に向けて指導や助言をする「JAL再生タスクフォース」を発足した。メンバーは、国土交通大臣直轄の顧問団として事業再生の専門家5名で構成。JLの自主的な経営再建の実現をめざして客観的に実態を把握し、自由で抜本的な再生計画の策定と実行を主導する必要があると判断した。10月末頃までに再生計画案骨子を完成させ国土交通大臣に確認し、11月末頃までに再生計画を確定する計画だ。

 タスクフォースの5名のうち4名は、産業再生機構で幹部を務めた企業再生の「経験者」。産業再生機構ではダイエーやカネボウなど大手企業のほか、スカイネットアジア航空や九州産業交通、鬼怒川グランドホテルなど旅行・観光関連企業の事業再生にも関わっていた。タスクフォースでは、こうした経験をもとに「積極的に指導・助言」する姿勢を打ち出している。計画策定に向けて、まずは事業計画策定の基礎となる収益力やブランド力、資産価値など現在の「実態」の把握に取り組むと見られる。

 再生計画策定については、JLが自主再建するための計画であることを前提に、JL自らが作成し実行する。また策定に向けて、新たにタスクフォースが妥当であると認めた外部専門家とJLの社内スタッフを選定。このほか、JALタスクフォースの指導、助言のもとで再生計画策定に向けた調査を実施する。なお、国土交通大臣はこうして提出される再生計画案に関して日本政策投資銀行および、関係民間金融機関の意見を聴取し、JALタスクフォースの妥当性評価報告を受けた上で再生計画の妥当性を確認、実行についてJLを指導、監督していく。JALタスクフォースのメンバーは下記の通り。


▽JALタスクフォース
高木新二郎氏(リーダー)/野村證券顧問、元産業再生機構産業再生委員長
冨山和彦氏(サブリーダー・作業統括)/経営共創基盤代表取締役、元産業再生機構代表取締役専務
田作朋雄氏(作業統括)/PwCアドバイザリー取締役パートナー、元産業再生機構取締役(産業再生委員)
大西正一郎氏(作業統括)/フロンティアマネジメント代表取締役、元産業再生機構マネージメントディレクター
奥総一郎氏(作業統括・連絡)/レゾンキャピタルパートナーズ専務執行役員、ラザードフレールシニアアドバイザー


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