松江観光協会が「佐陀神能」鑑賞会 ユネスコ無形文化遺産登録控え

 文化庁が今年5月にユネスコの無形文化遺産リストへの登録提案を決めた「佐陀神能(さだしんのう)」が9月25日、島根県松江市の佐太神社で開かれる。社団法人松江観光協会では観光客向けの観覧席を設け、玉造温泉や松江しんじ湖温泉から観覧客用の特別バスを運行する。特別鑑賞会は10-11月にも3回予定し、県外の旅行会社に商品化を呼びかけている。

 佐陀神能は、佐太神社で9月24日に行われる「御座替神事」のお祝いとして奉納されるもので、出雲流神楽の源流とされ国指定重要無形文化財に指定されている。25日は19時から23時まで、かがり火に浮き上がった境内の舞殿で、古式ゆかしい神話の舞を笛や太鼓に合わせ演じる。

 そのうち20-21時が鑑賞会で、御座替神事で演舞される演目から、南北朝時代の猿楽能に起源を持つ「式三番」と佐太神社の縁起を語る「大社(おおやしろ)」を見学する。舞殿前に300席のイス席を設け、半数を県外観光客向けとして用意する。市内の玉造温泉、松江しんじ湖温泉に泊まる宿泊客向けに特別バスを走らせる。玉造温泉から佐太神社へは約30分、松江しんじ湖温泉からは約15分。

 特別鑑賞会は10月6、24日と11月7日の3回限定で実施する。佐太神社の舞殿で20-21時の開催で、演目は「式三番」と「大社」を予定。各日とも100人限定で、観賞料金は1千円。

 松江観光協会では「2010年9月にはユネスコ政府間委員会で正式登録される予定の佐陀神能をより広く、多くの人々に認知してもらえれば」としている。


情報提供:トラベルニュース社