前田航空局長、日本航空再建は供給拡大も−アライアンス活用の可能性指摘

  • 2009年7月6日
 国土交通省航空局長の前田隆平氏は7月3日の記者会見で、再建をめざす日本航空(JL)について、需要の減退に供給の縮小で対応するだけでなく、長期的な視座から拡大も必要と語った。「現在の状況下では、拡大で再建するのも難しいのかも知れない」ものの、「例えばアライアンスなど外部資源を活用した拡大など、十分に工夫の余地はある」との考えだ。

 今回、JLは日本政策投資銀行などから約1000億円を融資で調達。政府保証が80%付いており、前田氏は「JLはこれまでも何度か融資を受けているが、過去にも増して状況は厳しい」とし、「JLは内外の航空ネットワークを支える最大の会社であり、国民経済の観点からも支える必要があると判断した」と説明。その上で、「しっかりとした経営改善計画を策定して実行しなければ意味がない」と語り、「航空局としてもしっかりと指導していく」方針を強調した。

 JLでは、中期経営計画の基本的な方向性をすでに発表しており、現在計画を策定中。方向性としては、国際線と国内線旅客事業でダウンサイズと機材数の縮小、高効率機材へのシフト、コスト削減では人件費削減が中心で、企業年金の改定や特別早期退職などを盛り込んでおり、前田氏によると「基本的にはこの方向性に沿って具体的な内容を盛り込んだ計画が出てくる」との見通しだ。


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