注目の世界遺産暫定リスト(5)アティトラン湖 グアテマラ

アティトラン湖の周囲には2つの異なるマヤ方言を話す先住民村が点在しており、美しい湖の景色を眺めつつ、それぞれ異なる村の雰囲気や民族衣装の趣を楽しむことができる。起点となる町はパナハッチェル。湖の北にある小さな町だが、レストランやホテルなど観光客向けの設備が整っている。湖畔にたたずむ村を訪れるには、ここから船やバスに乗ることになる。

また、パナハッチェルの南約4キロメートルの場所にあるサンタ・カタリーナ・パロポの伝統衣装は、アティトラン湖畔の村のなかでも特に美しい色合いで目を引く。青や緑、紫を基調とし、幾何学的な模様が織り込まれたものだ。パナハッチェルからは乗り合いトラックやミニバスで訪れることができ、所要約20分。
サンタ・カタリーナ・パロポからさらに4キロメートルほど南へ行くと、アティトラン湖の東に位置するサン・アントニオ・パロポ村がある。水際からの急な傾斜地に民家が固まって建ち、高台にある村の中心部には白亜の教会が印象的だ。この村のウイピルは青または赤、もしくは紫色で、派手さはないものの、糸の色の組み合わせが美しい。10キロも離れていない村でもこれほど民族衣装が違うのを見ると、村固有のデザインの服を着ることが村のメンバーの証であり、誇りでもあるのだと実感できる。

アティトラン湖は、グアテマラを含む中米ツアーによく組み込まれている人気の場所。湖畔に点在する村々を手軽に訪れることができる周遊フェリーもあり、主な場所なら1日で見て回ることは可能だ。しかし、個人旅行者は風光明媚でのどかな空気が漂い、物価も安いアティトラン湖周辺に長期滞在する人も多い。朝に夕に表情を変える湖の景色を眺めつつ、スペイン語などを学びながらのんびりと過ごしてみたい場所だ。
▽グアテマラ政府観光局
http://www.visitguatemala.com/
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