北欧デザインを巡る旅(1)新たな需要を拓いた北欧デザインとは


スカンジナビア政府観光局の高橋成美氏によれば「最近、北欧への渡航者は、パッケージツアー客以外にも20代から30代の女性を中心に、街歩きをしながらゆっくり街に滞在するFITも増えている」とのこと。北欧デザインの有名ショップをはじめ、小さなアトリエや各所のフリーマーケットでの買い物など、北欧デザインに直に触れられる街歩き型のスローな旅が受けているという。
この流れを汲んで、複数の会社が「デザイン」をテーマにした北欧方面のツアーを作っている。第13回(2006年)のツアーオブザイヤーの特別賞に選ばれたフィンツアーの「北欧3ヶ国デザインを感じる旅」は、2005年度に6回、2006年度に6回、2007年度に5回、2008年度に5回催行。また、日本旅行は2月から4月にかけて期間設定したパッケージツアー「北欧デザインをめぐる旅」の販売を開始している。北欧旅行の安定した人気を受け、デザインという特定マーケット商品の強化がはかられている。
これまで冬のオーロラやフィヨルドでのクルーズなど、自然を巡るプランが中心であった北欧で、街歩きの楽しさを提案できる「デザイン」を巡る旅。スカンジナビア航空(SK)は従来の成田/コペンハーゲン直行便に加え、ストックホルムへの直行便も意欲を示しており、昨年の航空交渉では2010年の成田空港増枠後、日本とスカンジナビア双方の企業に輸送力の拡大が認められた。これにより今後、さらにアクセスが便利となることが期待され、より多彩な北欧の旅が提案できるようになるだろう。
今週はデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの4ヶ国を、「デザイン」をテーマに巡ってみる。