楽天トラベル、09年も「総合化」推進−大手カウンターの機能は全て実現

  • 2009年2月13日
 楽天トラベルは、2009年も「総合化」を推進する。これは総合旅行サイトへの進化をめざすもので、代表取締役社長の岡武公士氏は2月12日に開催した「楽天トラベル 新春カンファレンス2009」で、「大手旅行会社のカウンターでできることは全てしたい」と強調。09年は宿泊の拡大を中心に総合化を進め、将来的には団体旅行や世界一周、添乗員の手配、学生旅行、オプショナルツアー、ダイナミックパッケージでの列車や船の手配を実現したい考えを説明した。

 楽天トラベルでは2008年も順調に業績を拡大。予約流通総額は前年比15.7%増となり、宿泊人数は2003年の1000万人から2491万人に増加。ダイナミックパッケージ「ANA楽パック」も132%増で推移。総合化の一環の「足回り商品」でも、レンタカーは182%増、ツアーバスは41%増となった。地域からの情報発信を強化した結果、佐賀県が46.1%増、群馬県が32.3%増、島根県が30.5%増など、地方への送客が拡大した。海外では、現地法人を展開する都市で取扱いを伸ばしており、現地法人設立から3年を経過したソウルでは「一番売っている旅行会社の3分の2の規模」になったとの分析だ。


▽ネットでは「高商品性」、「コミュニケーション」、「信頼」が重要

 楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、新春カンファレンス2009の講演で、楽天トラベルの戦略について説明。会場に集まった契約宿泊施設の担当者に対し、昨年からの景気後退により環境は悪化したものの「ネットと旅行は相性が良い」ことから、「知恵と工夫でまだ伸ばせる。大きな可能性がある」と強調した。楽天トラベルで好業績を残すためのポイントとして、「高い商品性」、「利用者とのコミュニケーション」、「利用者の信頼獲得」を列挙。高い商品性では、インパクトとエンターテイメント性などの「売り」が重要とし、「利用者は飽きやすい。おもしろい宿泊パッケージを作ってほしい」と訴えた。

 高い商品性を備えた宿泊パッケージを造成した後は、「売り」を利用者に伝えること(コミュニケーション)が必要となるが、楽天トラベルではこのツールも用意。利用者の信頼獲得には、第3者の声を取り入れることが重要で、口コミの評価が鍵を握るようになるという。楽天全体での消費者の書き込みは2000万件あるが、今後は1億件への増加をめざす方針だ。


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※訂正案内(編集部 2月13日 午前09時40分)
当初、岡武氏の名前の漢字を誤って表記しておりました。訂正するとともに、お詫びいたします。