甘くほろ苦いチョコレートの旅(3)フランス、ジャン=ポール・エヴァン

  • 2009年2月12日
 さまざまなチョコレートブランドの本店が軒を連ねるスイーツ天国・パリは、チョコレート好きにはうれしい町。有名な老舗や新進気鋭のチョコレート店で味比べをするのもいいし、カフェの雰囲気を楽しむのもいい。










 そんな、世界に名だたるショコラティエを有するフランスで、今回取り上げるブランドは、ジャン=ポール・エヴァン。世界トップクラスのショコラティエとして知られる人物だ。エヴァン氏は1975年、パリのインター・コンチネンタルホテルでパティシエとなった。1984年からはフランスの有名なパティスリー「ペルティエ」に招かれ、東京で1年半ほどシェフパティシエを務めた経験もある。そして1986年、弱冠29歳でフランス国家最優秀職人賞MOFを受賞。2002年、東京と広島の2都市に「カーヴ&バー・ア・ショコラ(チョコレートのセラーとバー)」をオープンした。以前の日本滞在時に空手を習っていたほど親日家である彼は海外の初出店先を模索した時、真っ先に日本が思い浮かんだという。そんな逸話を知ると、高級チョコレートブランドのジャン=ポール・エヴァンへの親近感が高まるだろう。

 繊細で優れた感覚を生かして作り上げた彼の作品は、濃厚なカカオの香りと極上の口どけが特徴。パリに出店する3店舗はどれもシックで洗練された雰囲気で、ガラスケースのなかに並ぶチョコレートは宝石のように輝いている。リュ・サントノーレ店の2階にはカフェ(サロン・ド・テ)があり、ヘルシーな食事とバラエティ豊かな洋菓子やホットチョコレート、紅茶などを注文できる。

 優雅なカフェでチョコレートを味わう楽しみもさることながら、パリでは近年、チョコレートは美容効果の点でも注目されている。チョコレートを使ったコスメやトリートメントの人気も高いという。

 コスメ専門店のセフォラでは「フォルマン・ショコラ」という、匂いも感触もチョコレートそっくりのボディソープが販売。日本でもおなじみの「ボディショップ」には、カカオを使用したチョコレートコスメの数々が並ぶ。スキン・トリートメント「ショコラセラピー」を開発したゼルダ・ガヴィゾンは、パリの店舗でカカオバターの効能に注目した数々のスキンケア製品を販売しているし、そのほかにも、パリの高級ホテル内にあるスパ施設やエステ「オムニサンス」で、チョコレートエステを体験することが可能だ。

 フランス政府観光局では、フランスのバレンタインのさまざまな楽しみ方をホームページ上で提案している。なかでも興味深いのは、パリから200キロメートルの場所にあるバレンタイン村(サン・ヴァランタン村)。ここでは毎年2月14日にたくさんの恋人たちが集まり、村をあげて盛大なバレンタイン祭りが行なわれるそう。ここで結婚式を挙げたいカップルのため、挙式パッケージプランも用意されている。

 パリのおしゃれなカフェでチョコレートを楽しみ、チョコレートエステで美しくなって、バレンタイン村で甘〜い結婚式を挙げる・・・。フランスはチョコレート好きのさまざまな夢を叶えてくれそうだ。


▽ジャン=ポール・エヴァン
http://www.jph-japon.co.jp/

▽フランス政府観光局 フランスで過ごすロマンチックなバレンタインデー
http://jp.franceguide.com/home.html?NodeID=822


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