JATA、ITCルールの規制緩和で要望書−個札の拡大、申請手続きの簡素化など

  • 2008年12月8日
 日本旅行業協会(JATA)は12月5日、観光庁長官の本保芳明氏に対し、会長の金井耿氏、副会長の佐々木隆氏が包括旅行チャーター(ITC)ルールのさらなる緩和について要望書を提出した。本保長官は同日、航空局長の前田隆平氏に対してJATAの要望を伝えた。

 JATAが提出した要望書は、観光立国の促進、旅行者の利便性向上と新たな需要の創出をめざしたもの。具体的な内容は(1)個人旅行が増加する中で、全空港を発着するチャーター便を対象に個札販売を拡大し、旅行会社でも個札を取扱うこと。(2)第三国の航空会社を利用するチャーター便の運航で、申請に関する負担の軽減と特に地方での旅行需要の喚起を目ざした柔軟性を確保することをめざし、本邦航空会社の事前の承諾を不必要とする。(3)成田空港で繁忙期を含めた需要への対応で、発着枠の確保を前提に定期便が就航する路線にもチャーター便の運航を可能とする、という3項目。

 国土交通省は2007年5月にいわゆる「50%ルール」、「3国間問題」、「中抜きルール」で緩和、さらに2007年8月には週平均の運航便数制限、4週以上の同曜日の運航が可能となっている。ただし、旅行業界ではチャーター便運航手続きの煩雑さなどの点で、さらに緩和を求める声もあがっていたところ。ただし、国交省としても規制緩和は時代の潮流にあるものの、「成果」がみられない施策に取り組むことも厳しいことと想定される。このためJATAでは、JATA本部組織、またはビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)事務局において、チャーター便活用を促進する委員会を立ち上げ、具体的な成果を生み出す環境を作る考え。特に、VWCでは地方発チャーター便の利用による需要喚起を活動項目に入れていることから、積極的に取り組む姿勢だ。

 なお、観光庁などによると、航空局もこうした要望を受けて規制緩和に前向きな姿勢を示しており、年内にも回答が得られる見通し。