JTBグランドツアー、09年度商品を発売、添乗員の権限強化で旅行を差別化

  • 2008年12月1日
 JTBグランドツアー&サービスは11月28日、2009年3月から12月出発分の商品の販売を開始した。パンフレットは、「ヨーロッパ・カナダ・ハワイ・アメリカ」と「トルコ・中近東・北アフリカ・中央アジア・アジア」、「中南米・アフリカ」の3種類で、コース数は前年比35%増の101コースを設定。方面別では、これまで取扱人数で全体の半数を占めたヨーロッパのコース数を50%増としたほか、中南米のコースを30%増とした。

 コンセプトは「同じ日程に見えても、JTBグランドツアーは違います!」で、添乗員への大幅な権限委譲により旅行の質を高めていることをアピールし、既存のパッケージツアーとの差別化をはかる。同社は添乗員を「ツアー責任者」と呼び、天候の回復を待つために展望台の滞在時間を延長することや、手配済みのレストランから現地ガイドが推奨するレストランに変更するといった権限を与えている。出発日の45日前にツアー責任者を決定するため、早くからホテルやレストラン、ガイド、バスなどを確認し、人気のガイドを確保したり、ツアー責任者が実際に訪れた経験のあるレストランを手配したりするなど、より質の高い手配が可能だ。また、企画、販売、添乗を社内で完結することで、常に最新の現地情報を把握し、次に出発するコースの改善につなげている。こうした取り組みもあり、グランドツアーの売上高は、2008年度上期に31%増となっている。

 なお、今回発売したJTBグランドツアーについては、燃油サーチャージの目安額を旅行代金の近くに表示する「近接表示」を導入。顧客の要望に応えるために発売時期を早期化した結果、総額表示の導入決定のタイミングには間に合わなかったという。