観光庁、年末までにアクションプラン策定−本保長官、1000万人は悲観せず
観光庁長官の本保芳明氏は11月4日の記者会見で、年内にアクションプランを策定し、インバウンド、アウトバウンド、国内旅行それぞれの分野について方針を明示する計画を示した。インバウンドは、2010年の1000万人と2020年の2000万人を見据え、従来の方法を踏襲しつつ、ビザ取得の容易化にも取り組む考えで、すでに9月からはマレーシアの取得要件を緩和。これまでは帰路の航空券がなければビザを取得できなかったが、本人作成のおおまかな旅程表で代替可能となった。現在は中国人のビザを中心に取り組んでおり、インドやロシアにも取り組みを広げたい考え。
アウトバウンドについては、長官就任会見でも言及した「日本旅行業協会(JATA)によるビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)のプラス・アルファの取り組み」の準備段階で、12月にアクションプランに盛り込んで詳細を明らかにする方針。消費者への需要喚起などはJATAに譲り、観光庁としてはチャーター便関連の規制緩和など事業環境の整備や、若年層の旅行離れに対する教育などに取り組む考えだ。特に若年層への教育については、「若者が地域や国、世界に目を向けず引きこもっている傾向は、長い目で見れば国の競争力を低下する大変なこと」とした上で、「外に楽しいことが待っている、と伝えていくことが必要。それが国の役割」と語り、長期的に取り組む必要があると言及した。
また、国内旅行の振興では、すでに観光圏整備法で初の対象地域を選択。ただし、「全体の盛り上げは課題」であることから、VJCやVWCのような「キャンペーンを展開すべきなのかどうかを含めて検討中」という。
なお、観光庁のあり方については、10月31日には理念と行動憲章を定めた「観光庁ビジョン」を発表したほか、観光庁長官の諮問機関として有識者懇談会の発足に向けて現在は人選を進めているところ。この懇談会は、「特定の課題についてではなく、観光行政について定期的に意見をもらう場」とする。「観光庁ビジョン」が実現しているかを定期的に評価し、外部に公開、行政を検証できるようにする考えだ。
▽2008年の訪日外客数は850万人?−1000万人は悲観の必要なし
本保氏は、2008年の訪日外客数の推移について、「目標としている915万人の達成は非現実的。むしろもっと落ち込み、(昨年の約834万7000人を超える)850万人を少し超える程度になる可能性もある」との見通しを示した。ただし、「マーケット別で見ればシェアは伸びている」とし、「2010年の1000万人を悲観すべきものではない」と強調。1000万人達成に向けた2009年の目標設定は、現在の動向を分析しつつ進めているところだが、その達成に向けては、現在の勢いはこれまでのビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の効果であることから、これまでと大きく方針を変えずにプロモーションを展開していく方針を説明した。
また、訪日客数の多い台湾と韓国への円高の影響に関しては、「いずれの国でも日本が一番のデスティネーションであることに変わりはない」ことから、まずは勢いを維持しつつ、為替レートが変化した際に増加分を取り込んでいく準備を進める考えを示した。
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◆本保長官、外需に目を向け「計画実現が使命」−イン・アウトの一体化推進も(2008/10/02)
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また、国内旅行の振興では、すでに観光圏整備法で初の対象地域を選択。ただし、「全体の盛り上げは課題」であることから、VJCやVWCのような「キャンペーンを展開すべきなのかどうかを含めて検討中」という。
なお、観光庁のあり方については、10月31日には理念と行動憲章を定めた「観光庁ビジョン」を発表したほか、観光庁長官の諮問機関として有識者懇談会の発足に向けて現在は人選を進めているところ。この懇談会は、「特定の課題についてではなく、観光行政について定期的に意見をもらう場」とする。「観光庁ビジョン」が実現しているかを定期的に評価し、外部に公開、行政を検証できるようにする考えだ。
▽2008年の訪日外客数は850万人?−1000万人は悲観の必要なし
本保氏は、2008年の訪日外客数の推移について、「目標としている915万人の達成は非現実的。むしろもっと落ち込み、(昨年の約834万7000人を超える)850万人を少し超える程度になる可能性もある」との見通しを示した。ただし、「マーケット別で見ればシェアは伸びている」とし、「2010年の1000万人を悲観すべきものではない」と強調。1000万人達成に向けた2009年の目標設定は、現在の動向を分析しつつ進めているところだが、その達成に向けては、現在の勢いはこれまでのビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の効果であることから、これまでと大きく方針を変えずにプロモーションを展開していく方針を説明した。
また、訪日客数の多い台湾と韓国への円高の影響に関しては、「いずれの国でも日本が一番のデスティネーションであることに変わりはない」ことから、まずは勢いを維持しつつ、為替レートが変化した際に増加分を取り込んでいく準備を進める考えを示した。
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