チャーター便の発着枠確定が早期化−羽田発利用の商品販売の期間が拡大

  • 2008年8月1日
 国土交通省は、チャーター便の発着枠確定を早期化する通達を数日内に発出する。これにより、旅行商品をはじめ、販売の着手が早期化できることから、現在より実需に結びつきやすい環境となる。国交省では羽田空港の国際化をにらみ、近く国内線の運航スケジュールを夏と冬の半期毎に設定する方針で、これに応じて国際線チャーター便の発着枠の決定が早期化し、パッケージツアーの販売期間が長くなる。成田空港は今回の通達には含まれないものの、羽田空港の深夜早朝枠をはじめ、関西国際空港、中部国際空港を含むものとなる。

 従来の国際線チャーター便の発着枠は、国内線の運航スケジュールが決定したのち、総発着枠から余った枠を振り分けており、例えば羽田空港は2ヶ月前の月の1日に決定していた。新たな通達が発出されると、夏スケジュールでチャーター便を計画する場合、2月15日までに申請すると3月1日、冬スケジュールは9月15日までに申請すると10月1日にそれぞれ確定する。これにより、夏スケでは4月の販売期間が短くなるものの、概ね販売期間が現在と比べて長い期間を確保でき、10月は最長で7ヶ月となる。また、関空では現在、チャーター便の設定日の前月25日に枠を決定しており、旅行会社は発着枠の申請中に販売をしなければならなかったが、発着便が確定した形での販売着手に取りかかることが期待される。

 なお、成田は国際航空運送協会(IATA)による調整との兼ね合いから、今回の通達の対象から外れている。成田でチャーター便に使用できる枠は、もともと国内線の1日 30便の枠のうち「多くて2便」(国交省成田空港事務所)という状況。成田からチャーター便を運航する場合は、今後も1ヶ月前の月の5日に発着枠が確定する厳しい状況が続きそうで、成田利用の商品販売で期間の長期化は望めなさそうだ。