前田新航空局長、「わかってもらえる政治」推進−首都圏空港取り組み着実に

  • 2008年7月14日
 国土交通省航空局長に7月4日付けで就任した前田隆平氏は7月11日、業界紙との会見で「鈴木前局長の『わかりやすい政治』を徹底し『わかってもらえる政治』をめざす」と抱負を語った。自身の航空行政での経験から、航空局が航空自由化に積極的ではないと思われ、政策が理解されないことがあったため、背景や経緯を説明するなど航空局としての考え方が正しく伝わるよう取り組んでいく方針だ。

 首都圏空港関連の諸課題については、「国際線の基幹空港は成田」と言明。ただし、増枠分の2万回は2010年の夏ダイヤの時点で埋まるとした上で、「成田が一杯でも首都圏の空港需要が依然として存在し、羽田に枠があるならば、それを使わないのは失敗」と説明、一体的に活用する方針を進める考えを示した。また、2010年3月の成田第2滑走路の延伸、2010年10月の羽田第4滑走路の完成期日を確実にまもるとともに路線配分を決定し、「(それぞれの運用の)開始時点で路線が飛べるようにする」とした。

 また、関西国際空港と中部国際空港の利用促進にも取り組みたい考えを語った。ただし、「燃油が高騰しており、しばらくは我慢の時期ではないか。踏みとどまってほしいが、減便もある程度は仕方がない」との見方だ。その上で、「燃油サーチャージもここまで高くなると、旅行商品の価格が倍になるなど厳しい。それによって旅行の手控えが起きるとすれば、遺失利益も大きい」と語り、着陸料の値下げや税制など、航空局として採りうる対応策を検討する考えを示した。


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