JATA市場調査、海外は中国地震や燃油高の影響大で業況感が悪化

  • 2008年6月26日
 日本旅行業協会(JATA)が5月中旬から下旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、海外旅行市場は前回の見通しからマイナス25ポイントとなるマイナス53ポイントとなった。このポイントはゼロが「普通」という業況感を示しており、プラス100ポイントが「すべて良い」、マイナス100ポイントが「すべて悪い」を表す指標。3ヶ月前の予測から大きく下振れした要因は、不振の中国に地震によるキャンセル、燃油高などが理由としてあげられている。

 業態別では、総合旅行会社、リテーラー、インハウスなどすべてが3ヶ月前と比べ、業況感が悪化。3ヵ月後の7月から9月の見通しはやや改善するものの、ほぼ現在と同レベルにあるマイナス47ポイントと厳しい見通しになっている。方面別では、3ヶ月前に唯一、踏みとどまっている感のあったアジアがマイナス1ポイントから、今回の調査でマイナス24ポイントと、海外旅行全体が厳しい様相を呈している。

 一部では、国内への旅行需要のシフトもささやかれているが、この調査によると国内は現在がマイナス12ポイントとなり、3ヶ月前のマイナス7ポイントからやや低迷。JATAでは、「国内シフトはあったものの、日帰りバスなどで安近短の志向が強かった」としている。海外旅行、国内旅行ともに、「需要喚起」が今年の最大の取り組むべき課題ということが改めて浮き彫りになりつつある。


※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。

▽海外旅行全般DI値(現在/3ヶ月後)
全体/-53/-47
総合旅行会社/-67/-42
海外旅行ホールセラー/-73/-67
海外旅行系旅行会社/-28/-36
リテーラー1/-71/-77
リテーラー2/-48/-40
インハウス/-39/-35

▽顧客層別DI値(現在/3ヶ月後)
ハネムーン/-53/-51
ファミリー/-57/-39
OL/-61/-52
学生/-75/-60
シニア/-30/-27
インセンティブ/-54/-52
商用・視察/-21/-20

▽方面別DI値(現在/3ヶ月後)
ハワイ/-42/-34
アメリカ・カナダ/-52/-46
ヨーロッパ/-35/-33
オセアニア/-60/-58
ミクロネシア/-39/-38
中国/-60/-64
アジア/-24/-23