ルフトハンザ、機内ワイン担当が来日、サービスの質と日本市場重視を強調

  • 2008年6月11日
 ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)は6月10日、機内提供のワインを選択するソムリエ世界チャンピオンのマルクス・デル・モネゴ氏の来日にあわせランチョンミーティングを開催、LH日本支社長のオットー・ベンツ氏は、航空会社には現在、燃油の高騰などさまざまな課題があるが、LHは食事にこだわり、今までと変わらず質の高いものを提供し続けたいとコメントした。また、日本市場についてアジアで一番重要な地域とし、日本人クルーを43名採用したことを明かし、日本人へのサービス体制を万全に整えていることを強調した。

 ミーティングでは、LHの機内で提供されるワインとドイツワインを紹介。LHでは、1年間で400万本のワインを機内で提供している。このワインは6人のメンバーが1200本のワインを試飲して決定しており、その中から選ばれるワインは約1割。同氏は、そのワイン選びのメンバーの一人で、2000年以降、ドイツ人初のソムリエ世界チャンピオンとして、ワイン・セレクション担当を務めている。

 モネゴ氏は機内のワイン選びのポイントは、地上と上空では人間が感じる味覚に変化が起きることを想定して選ぶことだという。例えば、乾燥した機内では香りに敏感になること、機内で人間は揺れなどによってエネルギーを使っていることから甘いものが欲しくなる傾向があることなど、さまざまな機内環境と人間の感性を想像しながら選ぶのだという。また、クラスの違いによるワインの差については、品質や価格に大きな差はないと説明。選択のポイントは安定供給できる量が確保できることで、LHのエコノミークラスで必要なワインの量は10万本、ファーストクラスなら1万本であることから、条件を満たすなかで最上のワインを選ぶという。

 また、モネゴ氏は日本酒の利酒師でもある。LHのビジネスクラスで提供される日本酒は「月の井」の純米吟醸だ。同社のスターシェフを務めるグランドハイアット東京のジョセフ・ブデ総料理長は、最近の日本人が好む機内食のトレンドについて、健康志向や郷土色のあるものはもちろん「季節感が大事」と語る。塩分の少ないものを好む日本人であるが、机上では味を薄く感じることもあるので、塩分の使い方にも配慮しているという。