PTS、07年度の取扱額4.1%増−量から質への転換、コスト構造改造に成功

  • 2008年6月13日
 PTSの2007年度の連結取扱額は前年比4.1%増の771億円で、経常利益は 前年 の1500万円を大幅に上回る2億6600万円であった。取扱額が増加した要因は、(1)戦略的店舗閉鎖による効果、(2)コールセンター事業の拡大、(3)ク ルーズ事業・団体外販の拡大の3点。

 PTSでは07年度から、量から質への転換に着手。特に店舗展開では、従来の200店舗をめざす方針から、PTSとして初という大規模なスクラップ&ビルドを実施し、店舗数を06年度期末の計186軒から07年度期末170軒に減少させた。ただし人員削減をせず、1店舗あたりのスタッフ数の増加や店舗からコールセンターへと業態を超えた効果的な人員配置により、店舗売上は1.9%減の微減に留めた。また、質の向上と1人あたりの生産性にも着目し、スキル向上や意識改善を目的にした研修の機会を増加。教育費を前年比1.5倍増とし、クルーズ・コンサルタントや社内制度の「ウェディング・コーディネーター」の研修を実施、「スタッフ1人の差別化は店舗の差別化」と位置づけ、競争力の強化もはかった。これにより、顧客満足度を高めて顧客の固定化を促すとともに業務効率を改善し、結果的にコスト構造の改革を実現したことが、経常利益の大幅な増加に繋がっている。

 また、クルーズ事業では、「PTSプレミア」と「PTSバリュー」の2ブランド制を実施しており、店舗におけるクルーズの販売額は2007年度は05年比で3.8倍の5億7000万円に伸びている。店舗とクルーズの連動性が強化され、例えば昨年販売した2度のふじ丸チャータークルーズは、店舗から60名ずつの申込があったという。


▽シニアを含めて旅行市場は弱含みに−周辺事業強化で収益確保へ

 7月1日発券分から、各航空会社が燃油サーチャージの値上げを発表したことで、今夏の旅行需要にも影響が出ており、2週間前からキャンセルが増え始めたという。もともと、今夏は家族旅行の需要への影響が予測されているが、従来から変わった動きは、今まで価格の影響が少ないとされていたシニア層も鈍化していること。ガソリンや食品類など、生活関連の商品が値上がりし、従来は動いていた客層も減少しているという。

 こうした市場の弱含みに対し、PTSでは今年度、従来から取扱う保険やギフト券販売、さらに今年から開始した両替事業の周辺事業を含め、収益を確保していく考えだ。