JTB、増収減益で経常益26.9%減も計画はクリア−海外旅行売上高6.8%増

営業利益と経常利益は大幅に減少したが、期首計画で基幹システム関連投資や設備投資をはじめとする経費増は折込み済み。M&Aによる純増分や積極的な要員投資などにより5.4%増となった人件費を含め、販売費及び一般管理費は5.7%増の2686億6700万円となり、売上総利益の2.9%増(2873億2600万円)の伸び率を超えたが、期首計画の営業利益125億円、経常利益170億円はクリアした。また、純利益が大幅に増加したのは、前期の特別損失で旅行券・商品券類に関わる引当金226億円を計上した反動によるもの。

事業別で大きく成長したのは、ECコンサル新販売形態事業会社の25.0%増の244億7700万円、ホテル・レストラン事業の26.9%増の142億8800万円。また、旅行関連サービス部門では、JCBとの提携で6月に開始した「JTBナイスギフト」が牽引し、取扱額を29.1%増に伸ばした。旅行事業会社群ではJTBトラベランド、JTB法人東京、i.JTBなど、特化型の事業会社が好調。特にインターネット販売の取扱額は22.2%増となった。地域型ではJTB首都圏やJTB中部、JTB西日本など大都市圏は堅調だが、その他は健闘したものの伸び率は停滞したという。
平成21年3月期は、売上高が4.2%増の1兆3840億円、営業利益が14.3%減の160億円、経常利益が10.9%減の200億円、当期純利益は7%増の119億円を見込む。基幹システムの切り替えは2009年1月の海外旅行系の稼動で一段落し、これまでの並行稼動によるコストの高止まり状態が解消するものの、今後は新システムに見合ったソフトの開発のため、引き続き経費がかかると判断。また、M&Aでは対象企業の再構築もありうるとして、新規事業開発に関係する経費を念頭に置いた減益を予想している。
▽JTBグループ年間累計取扱人数(2007年度決算期ベース)
ハワイ 51万2573人(3.2%減)
グアム・サイパン 49万6856人(6.1%減)
北米 34万9948人(7.6%減)
アジア計 176万4424人(5.7%増)
中国 45万5892人(4.5%増)
香港 13万2465人(1.7%増)
韓国 42万9864人(0.7%減)
台湾 21万628人(9.3%増)
シンガポール 7万9779人(3.1%増)
その他アジア 45万5796人(14.1%増)
欧州・ロシア 54万7811人(1.9%増)
太平洋州 21万9691人(10.8%増)
全方面計 393万5982人(0.1%増)