KNT吉川社長、強い決意で「業績回復はかる」−再編による課題顕在化を評価

  • 2008年5月22日
 近畿日本ツーリスト(KNT)代表取締役社長の吉川勝久氏は、プレス関係者を対象にした懇親会の席で「就任して50日が経過した今、強く決意していることは、業績の回復をはかること」と力強く述べた。昨年の業績について「残念な結果。業界を取り巻く急激な変化と市場の多様化に十分に対応できなかったのが要因の一つ」と認識を示し、「KNTの強みである現場力と創造力による、強いKNT作りを考えている」と今後の方向性を語った。

 現場力については、消費者の声に徹底的にこだわることと、現場主義の実践に加え、1月の事業再編により顕在化した課題解決を推進することを掲げる。事業の専門経営体制に変更したことで、いままで見えなかった各部門のテーマが浮上したことに「再編の効果があった」と評価。出てきた課題から創造力を発揮し、市場に選んでもらえる商品とサービスを提供していく考えだ。例としてコンチネンタル航空(CO)とのロタ・チャーターに言及し「年間3000人だったロタに、今回のチャーターだけで6000人送客する。新デスティネーションに育てていきたい」と、新しい取り組みへの意欲を示す。「過去のマニュアルは通用しない。事実に対して謙虚に、鋭敏に対応し、オリジナリティを商品企画に取り入れ、優位性を打ち出していきたい」と語った。具体的な方針は夏ごろに発表する中期計画に盛り込む予定。


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