レイルヨーロッパ、今年はカフェ拠点を増やしプロモーション−鉄道のGDSへ

▽これまでの日本での10年と今後
ビジャウィ氏は日本市場での10年間について、「実りが多かった」と振り返り、「旅行業界と消費者の動向をきちんと把握し、その上で販売と商品開発へのフィードバックとがきちんと出来ている」と数字には表れない効果を説明。「日本をパイロットケースに、3年前にインド、韓国、1年半前にラテンアメリカ、さらにオーストラリアと世界各地にオフィスを展開してきた」と、日本での成功事例を基にして、各市場での展開につながっていることを強調する。その上で、日本市場は他国とは異なる取引環境があることに理解を示し、旅行会社との関係を強く保ちつつ、市場での競争環境に耐えうるサービスを提供していく考えを示した。
ビジャウィ氏が特に競争相手と考えるのは、格安航空会社(LCC)だ。LCCはウェブサイトを主力の販路としており、その対抗策がウェブサイトでの販売だ。ただ、LCCについて「安いのは航空運賃だけ。空港へのアクセス、飛行機に乗る際のさまざまな諸経費、空港に行く時間などを考えれば、決して安くはない」というものの、インターネットでの予約をはじめ、競争環境の整備を着々と整えている。
また、将来の予測として、「環境への配慮、移動時間や移動中に仕事ができる環境など、(顧客に提供できる)多くの明るい材料がある。流通もこれまでと比べ、旅行会社を経由したウェブ展開を通じ、幅広く販売につながる」とし、「鉄道のワンストップショップになっている」との認識を示した。さらに今後の流通としても、「GDSがわれわれのコンテンツを必要としてくる時代になるのでは」といい、「航空業界でセーバーがあらわれ、数年で流通に欠かせないものになったこととが、鉄道でも同じように起こる」とも語り、高速化が進む中で鉄道の座席インベントリーに大きなシェアを持つレイルヨーロッパの重要性がさらに高まる方向性を示唆。既に、オリエントエクスプレス、アメリカのアムトラックの販売、交渉など各方面での拡大を図っていることに言及した。