アメリカン航空、成田/シカゴ線10周年迎える−BA、COとの協議を認める

  • 2008年5月7日
 アメリカン航空(AA)太平洋地区副社長のテオ・パナジオトゥリアス氏は5月2日、成田/シカゴ線の就航10周年を受け、トラベルビジョンのインタビューに応じ、「10年は成功を意味する」とした上で、ハブ・トゥ・ハブ戦略が好調に進んでいるとの考えを示した。シカゴはAAの国際線のハブ空港として機能し、アメリカ中西部のネットワークが充実。一方、成田はワンワールドに加盟し、提携する日本航空(JL)のハブ空港で「日本、アジアへのネットワークが豊富」として、今後もJLとの連携の強化、シカゴのネットワークの利便性をアピールしていく。現在の需要についても「世界的な景気の減速があるものの、直に影響を受けているのは金融関係。日本企業はアメリカ中西部に進出し、ラテンアメリカへも進出している。また、レジャーはカナダへのゲートウェイとして、使いやすい」とし、ビジネス、レジャーと適度な割合で需要を取り込んでいることを強調した。

 なお、AAの成田/シカゴ線は1998年5月2日に就航、232人乗りのMD−11型機で運航。2000年9月にボーイングB777型機によるデイリー運航を開始している。AAはこの就航10周年を記念し、5月2日から6月15日まで、オンラインで特別運賃の販売を開始している。

 パナジオトゥリアス氏は2005年から2006年にかけて運休した関空/ダラス線、中部/シカゴ線にも言及。特に、中部国際空港については、充実した空港設備、国内線との接続性を評価しつつ、「理論上は良いが、市場はまだ準備ができていなかった」とし、消費者のマインドの変化には至らなかったことを最大の要因に挙げた。「大阪、名古屋に直行便があるにも関わらず、成田発を利用するビジネス需要が多く、ファースト、ビジネスクラスの消費動向が変化しなければ難しい」とコメント。中部については、「ビジネスクラス以上の需要と日本航空の接続が重要になる」とし、長期的な視点からすると空港としては可能性を秘めているとの認識を示した。


▽BA、COとの協議について認める−それ以上は「発言できるものはない」

 ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が4月30日付けで公表しているコンチネンタル航空(CO)、AAの三社による協議について「協議をはじめているところ」としつつ、「発言できるものはない」と述べるにとどめた。ただし、現在の航空業界の状況として、「経済環境の悪化、燃料費の高騰のなか、少ない乗客、需要を有り余る座席を供給している」とし、「航空会社の合併による供給座席数の見直しは、市場の変化に対応する方法の一つ」としつつ、AAが過去にTWAなどの買収をした事例に触れ、「非常に難しいこと」とした。ただし、合併や統合について、「今後ない、ということでもない」とし、航空各社があらゆる方策を検討し、時代の変わり目に対応する姿勢について言及した。