エキスプレス・トラベル、日本での戦略を再構築へ−目標は変えず3年で達成
香港資本のエキスプレス・トラベルは2008年夏ごろを目処に、日本での経営戦略を再構築する方針だ。エキスプレス・トラベルは、アジア圏や欧米などで、旅行業やホスピタリティ業、クレジットカードなどの事業を展開するエキスプレス・グループの日本支社であるジャパン・エキスプレスの旅行部門。ジャパン・エキスプレスが日本交通観光とクリスタル旅行、札幌の牧野航空旅行をM&Aで取得し、日本交通観光とクリスタル旅行を合併、エキスプレス・トラベルに社名を改めた。2007年5月末には、M&Aや資本提携により2年から3年内に規模を拡大する方針を示していたが、日本の経営環境に応じた戦略の練り直しが必要となった。ただ、ジャパン・エキスプレスの「旅行店舗数200店」「宿泊施設20軒」「売上高4億米ドル」の目標に変更はなく、M&Aや資本提携といった方法論も変更はない。これらの目標は、新戦略のもと3年間程度で達成をめざす。現在の店舗数は25店舗で、宿泊施設は3軒を展開している。
エキスプレス・トラベル収入管理部部長の佐藤幸宏氏は、今回の戦略再構築について「これまでかなりのスピードで事業を展開しており、一旦立ち止まる必要があった」と説明。その理由として、「人件費や税金などのコスト面を含め、本社側が想定していた以上に日本は勝手が違った」と、香港と日本との経営環境の相違を挙げる。また、M&Aの対象とする旅行会社も、「長所を選んで買収、と考えていたが、経営基盤が脆弱な会社が多い」といい、「業界内でブレのない理念のもとで健全に営業し、しっかりと利益を上げている会社が少ないことに、本社が失望している」と語る。そのため現在は、自己破産を申請したNTBから優秀な人員を受け入れたことをはじめ、人的な補強も「規模拡張の手段の一つ」という考えだ。
今後の店舗展開は、コストが厳しい路面店よりも、3月には津田沼、4月には筑波で開店した大型スーパーへの出店を関東、関西で加速する。また、中国人のインバウンドをオペレーターとして取り込むことも視野に入れており、「発地のグループ会社との双方向ビジネスが第一の目標。他社との価格競争などを考えると、FITをねらっていくことになる」と言及。日本交通観光のバスを利用して、FITを集めたオプションツアーなどを提供していく考えだ。
▽関連記事
◆ジャパン・エキスプレス、傘下の日本交通観光とクリスタル旅行を合併 (2007/10/24)
◆ジャパン・エキスプレス、1種のクリスタル旅行を買収−国内25店舗体制に(2007/08/20)
◆ジャパン・エキスプレス、旅行とホテルで480億円−イン・アウトに取り組み(2007/05/30)
エキスプレス・トラベル収入管理部部長の佐藤幸宏氏は、今回の戦略再構築について「これまでかなりのスピードで事業を展開しており、一旦立ち止まる必要があった」と説明。その理由として、「人件費や税金などのコスト面を含め、本社側が想定していた以上に日本は勝手が違った」と、香港と日本との経営環境の相違を挙げる。また、M&Aの対象とする旅行会社も、「長所を選んで買収、と考えていたが、経営基盤が脆弱な会社が多い」といい、「業界内でブレのない理念のもとで健全に営業し、しっかりと利益を上げている会社が少ないことに、本社が失望している」と語る。そのため現在は、自己破産を申請したNTBから優秀な人員を受け入れたことをはじめ、人的な補強も「規模拡張の手段の一つ」という考えだ。
今後の店舗展開は、コストが厳しい路面店よりも、3月には津田沼、4月には筑波で開店した大型スーパーへの出店を関東、関西で加速する。また、中国人のインバウンドをオペレーターとして取り込むことも視野に入れており、「発地のグループ会社との双方向ビジネスが第一の目標。他社との価格競争などを考えると、FITをねらっていくことになる」と言及。日本交通観光のバスを利用して、FITを集めたオプションツアーなどを提供していく考えだ。
▽関連記事
◆ジャパン・エキスプレス、傘下の日本交通観光とクリスタル旅行を合併 (2007/10/24)
◆ジャパン・エキスプレス、1種のクリスタル旅行を買収−国内25店舗体制に(2007/08/20)
◆ジャパン・エキスプレス、旅行とホテルで480億円−イン・アウトに取り組み(2007/05/30)