JNTO間宮理事長、08年915万人は「なんとしても達成」−ポストVJCは2000万人

  • 2008年4月25日
 国際観光振興機構(JNTO)理事長の間宮忠敏氏は4月24日の記者会見で、2008年の目標として掲げる訪日外客数915万人の目標について、「なんとしてでも達成したい」と決意を表明した。間宮氏はこれまでも、「プロモーションの効果が出るには時間が必要で、実質的に残された時間はあと2年」、「(08年は)残り3年の初年度。登山で言えば8合目で一番苦しい時期。気持ちだけでは達成できない」などと危機感を表明し、戦略的な取り組みの必要性を訴えてきている。24日も、「円高や世界各国の景気停滞もあり、あと3年間で165万人とはいえ伸び悩む可能性はある」とし、10月に設立予定の観光庁とともに外客誘致を強力に推進する考えを改めて示した。

 915万人の達成に向け、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)事務局の機能を譲り受け、4月1日付けで再編した組織を効率的に運営し、効果を最大化する。特に、ウェブサイトを利用した需要喚起を強化するほか、コンベンション誘致は、国内外の関係組織、団体と連携し、増加の著しいアジアに限らず、欧米市場からも取り込みをめざす。また、「来年以降(の取り組み)では遅すぎる」として、リピーターの獲得や航空路線の充実のほか、海路での訪日客誘致などを例示した。「大きな課題」という人材育成も進める方針で、3年ぶりに新卒採用を計画しており、既に多くの応募者があるといい、年度後半に中途採用も予定している。

 また、間宮氏は1000万人を達成した後の「ポストVJC」について、「観光立国推進基本計画で、できるだけ早期に訪日外客数を出国者数と同じレベルに、と盛り込まれている。出国者数の目標は2000万人であり、我々の目標も2000万人の達成となる」と言及。その上で、人数だけでなく、長期的な視野に立ち、日本の観光魅力の向上や、質的な向上も目指すとした。なお、観光庁長官に民間からの登用の可能性について質問されると、「役所だから、あるいは民間だからどう、というものではない。観光には熱意とやる気を持っている方であれば」と述べた。


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