IATA、アメリカ政府発表の出国時の指紋採取などの方法に反発−負担増で

  • 2008年4月24日
 国際運送航空協会(IATA)は、アメリカ政府が発表した「US-VISIT」に関する航空会社の負担に対して懸念を表明している。これはアメリカ国土安全保障省(DHS)が空港、海港において、アメリカ国民以外の旅客を対象に出国時において指紋採取を要求する内容。民間の航空会社、クルーズ船社に対し、アメリカ出国から24時間以内に指紋などの生体認証情報の提出を求めている。既に、一部の空港で実施しているケースもあるが、2009年1 月からほぼ完全導入を目指すもの。これが2009年6月30日までに履行されない場合、DHSでは新たに加わったビザ・ウェーバー・プログラム(VWP)について、VWPの延長を行わないとしている。ただし、DHSの計画は、「小規模の航空会社や船会社には適用しない」としている。

 IATAは「アメリカ政府の計画は、航空会社が新たな設備のために数十億ドルを投資し、従業員に対する教育するなどの負担を強いる」と非難。「出入国管理は政府の責任で行うべきもので、航空会社のスタッフは出入国管理の仕事に適してはいない」と事務総長兼CEOのジョバーニ・ビジニャーニ氏がコメントを発表。さらに、「これまでシンプリファイング・ザ・ビジネス(StB)として、旅客にオンライン・チェックインやセルフ・サービス・チェックインを進めてきた中で、旅客を並ばせる施策は時代に大きく逆行している」などと批判的だ。


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