関空、08年度は国際線旅客数2.6%増めざす−需要喚起と路線網充実に注力

  • 2008年4月21日
 関西国際空港は2008年度の旅客数の目標として、国際線旅客数を前年比2.6%増の1129万人、国内線旅客数は0.7%減の564万人、合計1.5%増の1694万人をめざす。このほど取りまとめた2008年度の事業計画の中で掲げた。発着回数の目標は国際線が6.3%増の8万5000回、国内線が6.1%増の5万2000回、合計が6.2%増の13万7000回。経営面では、営業収益1031億円、経常利益43億円をめざす。

 エアポート・プロモーションの推進や旅行需要の喚起、「完全24時間空港」の活用など重点的に取り組む。エアポート・プロモーションでは、特に北米など長距離路線を誘致したい考え。また、旅行需要の喚起は、「国内/関空/海外」の積極的に提案し、特に西日本地区を対象に「首都圏の補完空港」としてプロモーションを実施する。また、24時間の空港を活用するため、深夜バスの運行、トランジットエリアを約2000平方メートル増床し、雑貨、飲食店のほか、夜間の旅客用の休憩所なども検討している。

 代表取締役副社長の平野忠邦氏は、3月にエバー航空(BR)が就航した関空/ロサンゼルス線について、「プレミアム・エコノミーを財界でアピールし、利用を促進する」と方針を示し、「アメリカ線はようやく3本目。東海岸だけでなく中西部への路線も誘致したい」と意欲を語った。また、食の安全やチベット問題などの影響が懸念される中国線については、「一般旅客が少し減っており、旅行需要の喚起は必要。しかし、航空交渉次第ですぐにでも飛びたいという航空会社もある」と旺盛な就航意欲を紹介した。

 なお、事業計画の中ではこのほか、年度中の関空連絡橋道路部分の売却や、「お客様第一主義」の実現のために安全、安心、快適に利用できる施設の整備、経営の効率化、省エネルギー対策などを掲げている。


▽2007年度実績は、国際線2%減、国内線

 2007年度の合計数値では、国際線旅客数は2%減の1100万1108人(対目標比15.4%減)、国内線は4%増の568万3930人(同5.6%減)であった。国際線の内訳は、日本人旅客数が前年比5%減の726万9931人、外国人旅客が8%増の332万8211人。また、発着回数は、国際線が8%増の7万9759回(同1.5%減)、国内線が15%増の4万9184回(同2.5%増)となった。