シンガポール航空、A380型機Yクラス販売はチャレンジ−スイートはFの15%高

  • 2008年4月16日
 シンガポール航空(SQ)は5月20日、日本に初飛行するエアバスA380型機の就航を控え、機内設備の一般公開に先立ち、報道陣に公開した。SQ日本支社長のフィリップ・ゴー氏は「成田国際空港開港30周年の記念の日に花をそえ、またアジアではシンガポール以外で初めての就航地に選んだことは、日本市場へのコミットメント(責務)をあらわしている」と語り、大きな決断であったことを説明した。また、SQバイスプレジデント・コントラクトのシム・キム・チュイ氏は、2002年ごろから顧客の「声」を聞くことで着手したA380型機の機内設備について、「空間を広くつかうことを考えた」などと説明し、機体製造だけでなく、SQの機内設備にも小糸工業をはじめ、21社の日本企業が参画していることをアピールした。

 SQは今後のA380型機の投入路線として、「スロットが少なく、需要の多いロンドン線にさらに1機を追加、香港線も視野にいれている」(ゴー支社長)としており、こうした発言からすると、さらに成田線への機材の投入も考えられそうだ。ただし、課題は現在のボーイング747型機のエコノミークラスとの対比で、A380型機はおおよそ25%増となる座席数。これについてゴー支社長は、「チャレンジだ。ピーク期とオフ期とでは異なるが、セールスで解決していきたい」と述べつつ、既に就航するシドニー線、ロンドン線を例に「市場、旅行会社からの評価は高く、支持を得られれば搭乗率も高くなる」と語った。

 先ごろの関西線の撤退で指摘される「安売り」の側面も、今回の座席増で懸念される点だが、ゴー支社長は「市場が2000万人に向けて動いている。成田線の全てがA380型機ではないが、需要喚起の一役をになえばよい」と語り、前向きな思考を示すにとどめた。また、SQは日本就航40周年を記念したキャンペーンや特別運賃の投入などで、活性化を図る考えを示した。

 なお、「ファーストを超えるクラス」というシンガポール航空スイートについては、「他市場でもファーストクラスの15%高い運賃を設定しており、日本でも同様にしたい」(ゴー支社長)としており、今後、国土交通省に申請をする予定だ。


▽関連記事
シンガポール航空、A380型機内を東京で6日間展示−毎日1組航空券プレゼント(2008/04/14)

シンガポール航空、路線網再編で関空/バンコク線運休−「過度な価格競争に勝者なし」(2008/04/04)

シンガポール航空、A380型機を5月20日から日本就航へ−成田便に投入(2008/03/13)

(右写真は、東京・赤坂を会場としたSQのA380型機のビジネスクラスシートの展示)