KNT、教育旅行にカーボンオフセットを導入−初年度目標は1万人

  • 2008年4月11日
 近畿日本ツーリスト(KNT)は5月から、国連認定排出権の購入によるカーボンオフセットの仕組みをオプションとして教育旅行のうちの「環境学習旅行」に導入する。CO2排出量削減への意識の高まりや、京都議定書にある今年から2012年までの第一段階の目標期間の始まりに合わせ、開始した。導入にあたり、環境コンサルティング企業のリサイクルワンと業務提携をし、旅行中のカーボンオフセットの実施により、環境への更なる意識向上をはかる。また今回は、世界的に信頼性が高く、京都議定書の目標達成にも貢献できる国連認定の排出権の購入による、CO2排出の相殺をおこなう。

 「環境学習旅行」とは、環境や歴史について理解を深める旅行のことで、KNTでは教育旅行に「環境」というテーマを取り込み、小学生から中学生、高校生までを対象に、日本全国の19ヶ所をメインに実施してきた。環境保護の重要性を学び、改善のための行動を起こすことを目標としている。例えば、白神山地の水質がブナによって保たれていることなどを現地で体験し、学習する。このほか、学校側からの提案で企画実施することもあり、現時点での実施実績は年間865校となる。

 内容は、環境学習旅行を実施する学校に対して、旅行期間中のカーボンオフセットをオプションとして提案、提供するもの。オフセット実施後の証明書の発行や相殺のための負担額徴収をおこなう。このほか、より深く学習したいという学校に対しては、旅行中だけでなく日常生活における地球温暖化防止についても教材の提供や、専門講師の派遣を実施する「事前・事後学習プラン」を提案する予定だ。KNTでは5月から実施するカーボンオフセットについて初年度は1万人の参加を目標に、今後自社が取り扱う全ての団体旅行においてカーボンオフセットをオプションとして提供をめざす。