アクセスランキング、1位はHISの業績予想修正、2位はCX、3位20代の旅行動向

  • 2008年3月22日
[総評] エイチ・アイ・エスが業績予想を修正する理由に、「燃油サーチャージ」をあげる事態に至った、ということが今週の大きな関心事でした。需要への影響は、これまで常にささやかれてきましたが、一段と高くなる燃油費は海外旅行離れを加速させている要因の一つであると思います。このところたびたび指摘される、若者層の海外旅行離れも、燃油費の高騰と無関係ではなく、海外旅行の業界全体を低迷させている要因のひとつでしょう。今週の3位にランクインするJTBの調査とあわせ、改めて、現在の大きな課題が浮かび上がった週ではないかと思います。先日のJATA経営フォーラムにおいて、マクロミルの調査が紹介されていましたが、若い人たちを海外につれて行くキーワードは「友達、同行者」や、「絆」で、この層を動かす大きな材料になると確信します。燃油サーチャージ、若者の海外旅行もちょっとしたきっかけや知恵で、解決できるとなると信じ、前向きに進みたいと思います。

 こうした市場活性化の観点からすると、キャセイパシフィック航空の羽田への乗り入れは大きな英断でしょう。2位にランクインした記事からすると、2010年以降の羽田国際化を前に実績づくりの側面があると想像されるものの、将来の確固たる市場形成に一役かいそうです。4月のチャーター便の販売は、日本、香港共にほとんど、座席が無いと聞いています。運航効率からすると日中は羽田に駐機するという非効率性は大きな課題であるものの、需要という観点から、双方向が活発であれば、今後の海外旅行の市場活性化に一石を投じることでしょう。添乗員の問題、GTOの買収など今後の将来を占う動きもあり、旅行業界も本当に動き出していることを感じる一週間でした。(鈴木)



▽トラベルビジョン・記事ランキング(3月第3週:3月17日〜3月21日午後6時)
第1位
HIS、需要に懸念を表明−燃油の影響から第1四半期で業績予想を下方修正(2008/3/18)
HIS、感謝セールで総額表示-4月以降のツアーに現在の燃油サーチャージ適用(2008/3/17)

第2位
キャセイパシフィック航空、2010年羽田拡張で乗り入れを強く希望(2008/3/19)

第3位
20代のキーワードはお金、休み、同行者、旅行のプライオリティ低下−JTB調査(2008/3/21)

第4位
外務省、中国・チベットに「渡航の延期」を発出−ラサ中心部での混乱で(2008/3/17)
ラサ暴動、各社とも旅行者に被害なし−再開は渡航情報の引き下げを待つ(2008/3/18)

第5位
TCSA、派遣添乗員問題で「行動の年」−通常総会、全社一致で実行策を決議(2008/3/19)

第6位
AF・KLグループ、アリタリアに買収提案−AZ取締役会は満場一致で受諾を決議(2008/3/18)

第7位
シンガポール航空、A380型機をロンドン線に投入、デイリー運航へ(2008/3/19)

第8位
香港エクスプレス、国交省から国際航空運送事業の経営を許可を取得(2008/3/17)

第9位
比較コムがGTO買収、即時決済など評価−シナジー効果えられる方法検討(2008/3/18)

第10位
全日空、欧州行きのキャリア普通運賃を設定、NH便の利用時に適用(2008/3/17)