
キャセイパシフィック航空(CX)日本支社長のジェームズ・ウッドロー氏、営業本部長のスティーブ・ウォン氏は、4月と5月に羽田空港を利用するチャーター便運航に関連し、「2010年の羽田拡張で、香港も対象として欲しい」と強い期待を表明した。CXはこの4月、成田国際空港へ移転した1978年5月以来、約30年ぶりに羽田への乗り入れを実現する。ただ、乗り入れにあたり、昼間時間帯は羽田空港に機材を駐機しなければならず、運用面で大きなロスがある。このため、「昼間時間帯の待機は、理想的ではない。ソウル、上海と同様に、香港も2010年までに進展をのぞみたい」(ウッドロー支社長)と、羽田空港の国際線就航地に香港を加えて欲しいとの立場を示した。ウォン営業本部長は「香港発のアウトバウンド市場は活発。パスポート保有率も高く、バンコク、台湾など、香港での人気デスティネーションと競合が可能になる」とし、「日本発の需要も、十分に期待できる」との考えから、日本、香港の双方向の需要を獲得した安定的な路線を運営できると自信を示した。
また、今年度のチャーター便展開は、昨年のCX、香港ドラゴン航空(KA)で103本を運航した実績と同程度の本数になるという。特に、東京、名古屋、大阪を除く、いわゆる地方都市の運航は「需要と供給のバランスを限りなく、一致するようにしたい」とし、具体的な本数までは言及しないものの、旅行会社との話しあいを通して積極的なチャーター便の設定をする考えだ。
▽燃油サーチャージで他社との差を強調

18日に開催されたプレスブリーフィングにおいて、高騰する燃油サーチャージ額について「リーズナブルな燃油サーチャージ額を設定している」(ウォン営業本部長)と強調し、サーチャージ額の違いをアピールし、顧客獲得につなげるねらいだ。例えば、香港往復はCXが3600円のところ、他社が1万2000円から1万6000円、東南アジアはCXが7200円のところ、他社は1万6000円から2万5000円、ヨーロッパはCXが1万7800円のところ、他社が2万6000円から3万5000円ほどと紹介。このところ、燃油サーチャージ額が上昇し、日本人出国者数への影響がささやかれている状況において、「旅行決定の大きなポイントになっている」と現況を語っている。