日本旅行、08年度中の株式上場を断念−今期は純利益10億6000万円めざす

  • 2008年2月28日
 日本旅行は平成19年12月期(2007年1月1日〜12月31日)の決算にあたり、2008年度中の株式上場を見送ることを発表した。当期は既に下方修正が出されたとおり、未使用旅行券について約27億円の引き当てを行い、特別損失を計上したことで、当期純損益は5億9600万円の赤字となったことが、判断の一因という。

 1月の「08年−10年の中期経営計画」発表時に金井社長は、「赤字は東証2部の上場要件にあっていないが、会計方式の変更による赤字の場合は特例がある」として、08年中の可能性を示唆していた。しかし、もし特例が認められて上場しても、上場後の赤字計上の会社に対する市場の見方を考慮した。また、内部統制についても、企業に求められる責任のレベルが高くなっていることから、さらなる管理統制の強化も推進。今後は、中期経営計画の各年度の計画を着実に実施し、利益確保と内部統制の上場に向けた準備が整った頃の、早期の上場を目指す。


▽2008年に黒字転化へ

 平成19年12月期の決算は、営業収益が前年比6.7%減の635億300万円、営業利益が45%減の12億9300万円、経常利益が32.6%減の23億1900万円で、5億9600万円の当期純損失を計上。平成20年12月期には、営業収益は5.5%増の670億円、経常利益は13.4%増の26億3000万円で、10億6000万円の純利益をめざす。

 なお、平成19年決算の各部門別では、国内旅行は販売高が2.1%減の2987億7800万円、営業収益は3.6%減の326億2000万円、海外旅行は販売高が4.8%減の1608億3600万円、営業収益が12.2%減の193億8500万円、国際旅行は販売高が23.2%増の69億8300万円、営業収益は19.6%増の9億800万円であった。


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