航空会社と旅行会社がリスクを分け合うかたちに−JATA経営フォーラム

  • 2008年2月27日
 JATA経営フォーラム2008分科会A「必ず来る航空革命」において、2010年の羽田、成田の首都圏空港の発着枠の増加にともなう供給座席の増加が見込まれるなか、航空会社と旅行会社が互いにリスクをシェアする時代になるとの考え方が示された。阪急交通社東日本営業本部仕入部部長の木村貞則氏は、IT運賃は残るのではないかという私見を示しつつ、「今後、2、3年でIT運賃では年間の買取、または半年、日毎の買取という形態も現れてくる」との可能性を示した。また、ANAセールス取締役会長の北林克比古氏は、航空会社同士の競争が激化するのがオープンスカイの時代とし、航空会社が旅行会社に提供するアロットについて「未使用の座席を(旅行会社は)ノーリスクで返還する。これを(航空会社が)負担することがだんだん難しくなってくる。旅行会社と航空会社が、(リスクを)シェアするものになる」との予想を示した。

 日本航空インターナショナル執行役員の山口栄一氏は、今後の路線展開について日本企業の生産拠点が海外に移りつつある動きにあわせ、路線を張るとの考えを示しつつ、「昨年末からのデリー線をデイリー運航に増便した。ビジネス需要もあるが、インドの観光需要はこれから。ここは(旅行会社に)取り組んでいただきたいし、一緒にやっていきたい」とし、協調を求める。

 また、ノースウエスト航空日本地区営業本部長の伊藤正彰氏は「(消費者の)ニーズ多様化する中、各種のルールが現在の消費動向と一致していない。ピーク時に二重三重の予約があり、座席が有効に活用されていない。JATAなどで制度の見直しも視野にいれ、確実に(需要を)取り込める環境をつくるべき」などと語り、旅行会社と航空会社が二人三脚で取り組む課題もあると指摘した。