ジェットスター、07年は想定を越す搭乗率を記録−現実に即した販売が鍵

  • 2008年2月25日
 ジェットスター(JQ)日本支社長の片岡優氏は、2007年度の推移について「旅客数と収益の両方で当初の想定を上回る」と好調さをアピール、2008年の方針として旅行会社との協力、直販の強化の2つを両立していく。昨年3月25日に関空、8月2日に中部国際空港へ就航。このうち関空線は当初、団体客の取り込みが遅れ、苦戦する局面があったものの、通年の搭乗率は当初想定の72%から73%を上回り、80%超を記録しており、特に関空/ブリスベン線が好調という。日本人とオーストラリア人の割合は現在、7対3で推移しており、スキーシーズンの関空/シドニー線は、6対4とスキー需要などオーストラリア発も好調に推移している。片岡氏は、「LCCが就航すれば、需要喚起だけでなく、インバウンドも増え、旅行業界全体に貢献できる」と利点を語る。

 日本発の好調さは、「旅行会社への座席配分、GDSの流通など、本社側が当初に想定したことが現実に即しておらず、その修正が的確に進んでいること」という。ただし、現在も「『パッケージや団体は受け付けない』というイメージを払拭している」としており、他の航空会社と比較しても遜色ない対応ができることを継続して訴えていく。

 旅行会社経由販売と直販のバランスは、「旅行会社の商品は我々には手を出せない領域で、その顧客を直販に持ってくるのも無理。オーストラリアへの訪問者全体も減ってしまう」と旅行目的の違いが影響するとの考え。直販の利用者は、留学やワーキングホリデー、友人訪問、自分で旅行を組み立てることが好きな人などで、「これらの層に効率的にアピールすることで、結果的に直販の割合が増えれば」という。タレントのベッキーさんを起用して、通年で展開する「Let's 豪 Adventure!」キャンペーンで、条件付きだがベッキーさんの画像を旅行会社のパンフレットに使用できるようにする。

 なお、スタークラスは、「値下げなど利用増を狙って施策を展開したが、思うほどの成果は出ていない」ものの、旅行会社店頭でのアピール強化により、4月以降にの動向に期待を示している。