韓国人訪日客数は500万人も可能−全国の観光担当者に客層別ポイント伝授

  • 2008年2月8日
 韓国人のインバウンドを取り扱うリンカイの代表取締役の李容淑(リー・ヨンス)氏は2月6日、国土交通省が開催した「平成19年度都道府県等観光主管課長会議」での基調講演で、韓国からのインバウンド促進について「現在までの5年間で1000万人が訪日し、単純計算で韓国国民の4人に1人が日本に来たことになる」と述べ、リピーター獲得が次の課題と強調した。李氏は先ごろ、「営利を超えた日韓の理解増進に貢献した」点が評価され、YOKOSO!JAPAN大使の1人に任命されている。李氏は会場に集まった全国の観光行政担当者に対し、「受入態勢の整備は、相手の国の文化や趣向を知り、相手の立場から見て必要なものを整えることが重要」と語り、そうすることで、「韓国人訪日客数は、(現在の260万1000人に対して)2年から3年で400万人から500万人の規模まで増加可能」との考えを披露した。

 李氏は食文化を例にあげ、「例えばキムチを少し置くだけで、温かいホスピタリティとして受け入れられる」と語る。また「懐石料理のように少しずつ料理を出すのではなく、韓国料理のように一度にテーブルに全てを並べ、ボリュームを強調した方が一般的には効果的」ともいう。ただ、「富裕層などでは純和風が好まれるため、和食の流儀を守るべき。キムチも、『必要であればお出しします』というスタンスが良い」とし、客層の価値観に合わせた心配りが重要と指摘する。

 ゴルフについても、「韓国人が日本にゴルフ旅行で来るときは、とにかくゴルフ漬けになりたい」と強調。ナイター設備などを用意し、「2泊3日なら到着した1日目に18ホール、2日目に36ホール、帰国目に18ホールは最低でもしたい」というニーズに対応すべき、とした。実際に九州などでは対応が始まっているという。

 なお、現在、韓国人にとっての日本の魅力は、「ゴルフ」、「温泉」、「日本酒」が大きいという。李氏は、「これらは日本中どこにでもある」と強調、3テーマを組み合わせた旅行で地方でも誘致が可能、との見方を示した。なお、地方については、ハングルでの表示など、「韓国人訪日客が最低限不便を感じないで済むようにすべき」と語った。