KNT、08年度の海外旅行は4%増の103万人へ−5つの成長分野に注力

  • 2008年2月6日
 近畿日本ツーリスト(KNT)執行役員海外旅行部長の杉井健二氏は、2008年度の海外旅行全体の取扱人数目標として、前年比4%増となる103万人を掲げた。2007年の取扱人数のうち、ホールセール商品はメイトが5%増であった一方、ホリデイは3%減となっており、特に北米が約30%減、ヨーロッパが約20%減であった。方針としては、事業再編を活かし、「仕入と企画、ホリデイと団体を二律背反ではなく、二律共生を目指すとともに、素材をしっかりと企画し売り切る」考え。杉井氏は、「2008年も市場は大きく伸びない。素材をしっかり企画して売り切ることが重要」と言及、時期としては「2008年に予想される衆議院選挙と北京オリンピックの前後に山を持っていきたい」と語った。

 2008年の成長セグメントとしては、「シニア」、「MICE」、「教育旅行」、「ラグジュアリー・マーケット」、「双方向ビジネス」という。このうち、シニアは「旅行意欲はあり、旅行会社の施策次第で動く」と語る。また、教育旅行は、専門学校などで旺盛な海外旅行需要が見られるといい、取り込みを狙う。双方向ビジネスは、海外の自治体や旅行会社との業務提携だ。2007年の韓国観光公社(KTO)との業務提携では、15万人の送客目標を達成し、最終的には前年比25.1%増の15万991人になったという。

 また、レジャー路線を中心に、航空座席供給量の低下傾向に対応するため、チャーター便も積極的に展開する考え。キーワードは、ベストシーズン、直行など、「チャーターだからできる」、KNTならではの「新デスティネーション開発」、「グループとしての連携と在庫意識の徹底」という。目標数は前年比約10%増となる3万8000人。2007年には、エーデルワイス航空(8R)を利用したスイス・チャーター商品を設定し、合計1911名の送客と95%の消化率を達成した。全体では約3万4000人の送客と、94%の消化率であった。スイスは2008年も6月から8月に9本設定、2600名の送客を目指すほか、業界で初めて北マリアナ諸島のロタ島に成田発の直行チャーター便を設定。年間で40本展開し、約6000名の送客をはかる。

 このほか、ラグゼ銀座マロニエでは「さらにプレミアム商品を強化」し、ダイナミック・パッケージの旅せるふでは、レンタカーや掲載商品の充実を進める。また、少人数の団体旅行を取り込むため、10名以上の団体が対象のホリデイ商品「ホリデイ10」を、ハワイとオーストラリア、グアム、アジアで設定する。

 なお、北京オリンピックについては、北京に6000名の送客と、事前合宿などで1000名のインバウンドを狙う。

▽KNT2008年度送客目標
アメリカ/7万5000人
ヨーロッパ/8万人
カナダ/2万人
ハワイ/18万人
オセアニア/8万人
ミクロネシア/9万1000人
中国/9万5000人
台湾/6万人
アジア/34万9000人
合計/103万人